『コロコロ』で快挙連発! アニメ化決定『運命の巻戻士』“世界一わかりやすい”タイムリープ漫画の面白さ

コロコロで快挙『運命の巻戻士』の面白さ

他のタイムリープ作品と違う“単純明快さ”

 誰かを救うためにタイムリープを繰り返す漫画には、『サマータイムレンダ』や『僕だけがいない街』など数々の名作が存在する。その魅力といえば、緻密に張り巡らされた伏線と謎が謎を呼ぶ壮大なストーリー展開にあるだろう。しかし『運命の巻戻士』はまったく別のアプローチによって、斬新な物語を生み出している。

 その斬新さは、誰でも理解できる分かりやすいストーリー構成にある。とくに序盤のエピソードでは1話完結型で、タイムリープの基本となる「時を巻き戻し、問題を解決して正解にたどり着く」ステップをシンプルに描き出している。

 最初に「コンビニ強盗から店員を救う」「無人島から隣の島までターゲットを脱出させる」といった単純明快な目的を提示。そこで立ちはだかるトラブルを1つずつ解決していき、最後には読者の意表を突く“正解ルート”へとたどり着く……。タイムリープものとしては破格の読みやすさだ。

 それでいて単純なストーリーに終始するわけでもなく、悪の組織「クロックハンズ」との抗争を描いた長編は十分な読み応えがある。さらに物語の要所では、複雑なタイムパラドックスを扱うなど、子ども向け作品に留まらない要素も併せ持っている。

 また、タイムリープ以外の特殊能力が登場することも大きな見どころ。熟練した巻戻士たちは、術者をスピードアップさせる「早送り」のような時間にまつわる能力をそれぞれ持っている。そして「クロックハンズ」のキャラクターたちも凶悪な能力を使いこなし、巻戻士を追い詰めていく。そこで高度な能力バトルが展開されるというわけだ。

 その一方でどれだけ激しいバトルでも、グロテスクなシーンや他者を傷つける表現などは極力避けられている。万人がストレスなく楽しめる作風と言えるだろう。おそらくアニメ版も、親子で一緒に視聴できる作品になるのではないだろうか。

 

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