けがをした子どもが、あふれ出る血によって突如注目を集めて……世界10ヵ国で翻訳される絵本『けがをした日』

絵本『けがをした日』が発売

 スウェーデン年間最優秀絵本賞2022を受賞した話題作『けがをした日』(ブロンズ新社)が、5月15日(木)に発売される。

 作者のエンマ・アドボーゲは、1982年生まれスウェーデンのリンシェーピング生まれの絵本作家、イラストレーター。18歳で絵本作家デビューし、子どもたちの日常をユーモラスに描き、現在スウェーデンでもっとも人気のある絵本作家のひとり。エルサ・ベスコフ賞、レナルト・ヘルシング賞、アウグスト賞、ドイツ児童文学賞など受賞作多数。双子の妹リセンと共同制作した絵本も刊行されている。

 本書は、学校の休み時間中に友だちとふざけていてけがをした主人公が、あふれ出る血によって突如注目を集めることになり、その時の心の動きや周囲の反応を、コミカルかつ繊細に描いた絵本である。ユーモアとリアルな観察眼が融合した内容は、子どもたちの等身大の感情を丁寧に映し出しており、スウェーデン国内でも高く評価された。

 翻訳はスウェーデン語絵本の紹介に長年尽力してきた菱木晃子氏が担当し、現地特有のダジャレや言い回しを日本語に巧みに置き換えている。巻末には、スウェーデンの文化や教育観を伝える「あとがき」も収録。また、日本語版の表紙題字は、画家・ミロコマチコ氏による手書き文字を採用している。

 『けがをした日』は、既に英語、韓国語、ドイツ語、イタリア語、フランス語、アラビア語など9言語で翻訳出版されており、日本語版は10言語目となる。注目されることの喜びと不安、アイデンティティの揺らぎをテーマにした本作は、子どもだけでなく大人にも多くの示唆を与える内容となっている。

書誌情報

『けがをした日』エンマ・アドボーゲ 作/菱木晃子 訳
・発売日:2025年5月15日(木)
・定価:1,760円(税込)
・頁数:28ページ
・判型:280×215mm 上製

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「新作」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる