なぜゴッホは「枯れたひまわり」を描いた? オランダの大人気漫画家による絵本『ゴッホとひまわり』が発売

オランダの漫画家バーバラ・ストックによる絵本『ゴッホとひまわり』(月と文社)が発売された。
著者のバーバラ・ストックは、1970年、オランダ生まれ。ハーグの写真学校を経て、ジャーナリストとして働いた後、漫画家・イラストレーターとして活躍。2009年、オランダの優れた漫画家に贈られるStripschapprijsを受賞。2012年に出版された、ゴッホの晩年を描いたグラフィックノベル『Vincent』(日本語版は『ゴッホ 最後の3年』/花伝社)は20カ国以上に翻訳され、世界的ベストセラーに。本作『ゴッホとひまわり』(原題:Vincent en de zonnebloemen)は、初の児童書。
本書は、フィンセント・ファン・ゴッホの「ものの見方」をテーマに、ゴッホ流「自分だけの視点」を育める内容となっている。作者はオランダの漫画家バーバラ・ストック氏で、2019年にアムステルダムのファン・ゴッホ美術館の協力を得て制作された。翻訳は、オランダ在住の翻訳者・川野夏実氏が担当している。
物語は、絵のテーマを探しに出かけるゴッホとともに散歩をする形式で進行し、彼の「見過ごされがちなものに美を見出す」視点を読者が体験できる構成となっている。最後には、地面に落ちた枯れたひまわりを持ち帰り、花瓶に活けて描いたとされる有名な『ひまわり』に至るエピソードが描かれる。ゴッホが枯れかけたひまわりを美しいと感じ、しおれた様子を生き生きと描いたことが、本書を通じて伝えられる。
「もし みんなが かんぺきだったら せかいは つまらないものに なってしまいますね」という言葉が裏表紙にも記載されており、完璧ではないものへのまなざしの大切さを伝えるメッセージが込められている。絵本というかたちを通して、子どもから大人までが「自分だけのものの見方」を育むことができる内容となっている。
2025年には、日本各地でゴッホに関する大規模な展覧会が開催される予定であり、本書は書店やカフェ、美術館、図書館など幅広い場での展開が期待される。
<本書の概要>
『ゴッホとひまわり』
作:バーバラ・ストック
訳:川野夏実
装丁:紀太みどり(tiny)
定価:2200円(本体2000円+税10%)
判型:縦19.4cm x 横17cm x 厚さ0.8 cm
ページ数:32ページ
発売日:2025年4月10日
発行元:月と文社
























