『片田舎のおっさん、剣聖になる』ヒットの要因は「おっさん」ディテール? 【2025.4.1 週間漫画ランキング】

『片田舎のおっさん』ヒットの要因は?

4月1日付け週間漫画ランキング

1.薬屋のひとりごと(15)/日向夏・ねこクラゲほか/スクウェア・エニックス
2.葬送のフリーレン(14)/山田鐘人・アベツカサ/小学館
3.片田舎のおっさん、剣聖になる~ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件~(7)/乍藤和樹・佐賀崎しげるほか/秋田書店
4.キングダム(75)/原泰久/集英社
5.ONE PIECE(111)/尾田栄一郎/集英社
6.ブルーロック(33)/金城宗幸・ノ村優介/講談社
7.SPY×FAMILY(15)/遠藤達哉/集英社
8.終末のワルキューレ(24)/アジチカ・梅村真也ほか/コアミックス
9.異世界おじさん(13)/殆ど死んでいる/KADOKAWA
10.ミステリと言う勿れ(15)/田村由美/小学館

 4月1日付けの日販調べ週間漫画ランキングからは、なろう系コミカライズの「おっさんもの」ジャンルのトップを走っているといっても過言ではない、乍藤和樹・佐賀崎しげるらによる『片田舎のおっさん、剣聖になる〜ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが放ってくれない件〜』(秋田書店)をピックアップ。

 片田舎で子供たちに剣術を教えながら、慎ましく暮らしていた40代のベリル・ガーデナントが、騎士団長や魔法師団長など王国組織のトップに登り詰めるまでに大成した弟子達に振り回されていく物語である。

 ベリルは、王国の騎士団長となった弟子のアリューシア・シトラスから騎士団の剣術指南を頼まれ、王都へ向かう。剣の稽古は欠かさなかったベリルだったが、中年の自分が最前線で活躍する騎士達相手に指南できることなどないと謙虚な姿勢を見せるも、副騎士団長・ヘンブリッツとの模擬戦に圧勝。次第にベリルの剣士としての腕前が明らかになるだけでなく、片田舎の師範から王都での地位を徐々に確立していく。

 本作が他の「おっさんもの」作品から頭1つ抜きん出ている理由の1つは、中年の苦労を忠実に再現していることが挙げられる。老練された技術により他を圧倒する実力を見せるが、遅れてやってくる筋肉痛に、疲労と比例しない睡眠時間など、その辛さに共感している読者も多いことだろう。

 そんな本作は、本日4月5日よりアニメが放送される。ベリルを担当する声優は『 ONE PIECE』のサンジ役で知られる平田広明だ。渋みのあるダンディーな声質が、ベリルにしっかりとおっさんらしさを与えてくれるだろう。また、平田広明はアニメ放送に合わせて、YouTube「NBCUniversal Anime/Music」チャンネルにて「片田舎のおっさん、進行役(パーソナリティー)になる」と題したWEBラジオの配信にも出演する。アニメや原作だけでなく、ラジオでの話にも注目したいところだ。全てを満喫するためにも、原作を通して予習してみてはどうだろうか。


 続いて、「おっさんもの」と聞いて黙っていられず、先週から大きく順位を上げてTOP10入りを果たしたのは、殆ど死んでいるによる『異世界おじさん』13巻(KADOKAWA)。9位に登場。おじさんが異世界へ転生するのではなく、異世界から戻ってきたおじさんが、その思い出を現実世界で語るという風変わりな作品だ。異世界ノリを甥っ子と楽しむ姿には、思わず笑い声が漏れてしまうことだろう。王道の「異世界もの」に飽きを感じていたらぜひ手に取ってみてほしい。ゲームハード事業に力を入れていた頃のSE⚪︎Aを知るオタクならば間違いなくハマるはずだ。

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