【漫画】漫画が歴史書に……!?  終末世界を明るく生きる少女たちの冒険譚『読むたびに幸せを。』名作のパロディにもニヤリ

【漫画】漫画が歴史書に……!?

夢から着想を得た設定

――『読むたびに幸せを。』をどのように作り上げていったのですか?

着ちよあ:「こういうネタは面白いのでは?」と投げたネームをガンガン編集部の担当者さんに気に入ってもらい、試行錯誤しながら制作しました。「キャラを見せるのか?」「終末の世界観が大事なのか?」など、何をベースに見せていくのかを何度もやり直して調整しました。

――舞台は終末世界でしたが、どうストーリーを膨らませていったのですか?

着ちよあ:もともと“終末世界で生きる女の子の物語”を同人作品として『ニコニコ静画』などにアップしていました。そこから世界観やメイン2人の関係性などを決めていった感じです。ちなみに「漫画=歴史書」という設定は、ちよあが見た夢から思い付きました。

――夢まで創作のアイデアにしてしまうのはすごいですね。

着ちよあ:メイン2人のベースも夢で思い付いたものです。そこに客観的な修正を加えて動かしていったところ、現在の性格に行き着きました。

――ちなみに2人ともショートパンツではありながらも、個性的なビジュアルでした。キャラデザはどう描き分けましたか?

着ちよあ:まず「2人は対照的なものにしたい」と考えていました。片方は終末世界に馴染んでいるデザイン、もう片方は一般的に考えつくイメージの終末世界には絶対いないデザイン、という感じで描き分けました。

作画の苦労は一切なし?

――2人の会話のテンポが小気味よく「ずっと見ていたい」と思わせられました。

着ちよあ:会話のテンポは“4コマ漫画のようなノリ”を意識しています。また、2人の会話劇は、主人公がどちらでも成立するように表現したかったので、モノローグなどは一切使わず、本人たちのやり取りだけで物語を進めるように設計しました。

――会話だけではなく作画にも目を奪われました。鉄球に追いかけられたり、グライダーに乗っていたりなど、2人のアクションシーンを描く際に意識したことは?

着ちよあ:意識したことは時間の長さです。「その時の時間の流れがどのくらいなのか」「どんな音が聞こえているのか」という主観的なイメージを盛り込みました。「狭い箇所から飛び出すような開放感を楽しんでもらえれば良いな」と思っています。

――作画で言えば車や双眼鏡など登場人物以外も丁寧に描かれていました。作画のカロリーはかなり高そうですが…。

着ちよあ:そこは意外にも「苦労した」と感じることはほとんどありませんでした。完成形に作画が近づいていることに面白さを感じられたからだと思います。今後も血反吐を吐きながら作画を仕上げることになりそうですが。(笑)

――今後の活動予定などあれば教えてください。

着ちよあ:現在新連載企画を抱えています。発表がいつになるかは未定ですが、近いうちに告知できると思います。読者さんが、泣いて、笑って、「何だこの作品!ふざけるな!」と感情を剥き出しにしてもらえるような作品を出していきたいです。

© Chac Choa/SQUARE ENIX

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