【漫画】姫の代筆で王子と文通、口下手な“私”が恋をした……シンデレラストーリー『嘘の恋に封をして』に胸キュン

手紙の言葉を選ぶポイントは?
――なぜ『嘘の恋に封をして』を制作したのですか?
高橋:本作はデビュー直後から現在にかけて、長くお世話になっている担当編集さんと初めて制作した思い出深い物語です。当時は今以上に何度も打ち合わせを重ねたことを覚えています。右も左もわからずいっぱいいっぱいで、今思い返すと「打ち合わせで上手く話せない自分自身の感情も主人公に乗せていたのかな」と思います。
――「異国の恋物語」「間接的な文通」が軸となっていますが、これらのテーマはどのように決めたのですか?
高橋:本作が掲載された漫画雑誌『ザ花とゆめ』(白泉社)は毎号テーマが変わるのですが、その時は“アナザーワールド”でした。ですので、王子や姫がいるファンタジーな世界を舞台に選びました。また、もともと言葉が好きで、受賞作に対してセリフやモノローグをほめてもらうことも多く、「手紙という題材なら言葉にフォーカスできて楽しそう」と思ったことも影響しています。
——手紙でのやり取りがメインのため、画面が変わりにくくなってしまい読者を飽きさせるリスクも少なくないです。画面の描き方で意識したことは?
高橋:言葉の表現が多いため、キャラの表情を描く際には相手を想う気持ちが伝わるように意識しました。
——セリフとは異なり、手紙に記された言葉は“よりそのキャラらしい言葉”を選ぶ必要があります。手紙に記された言葉はどのように決めたのですか?
高橋:とにかく相手を想って綴る丁寧な言葉になるように意識しました。主人公のロアは姫の代筆なので、文面は頑張って丁寧にしているけど等身大の女の子らしさが滲み出る内容になっています。逆に王子は大人らしい余裕感を意識しました。
苦戦したカット
――ロア、黒曜王子というキャラはどのように誕生したのですか?
高橋:ファンタジーな世界なので、現代の日本では見ない珍しいビジュアルになるように意識しました。また、黒曜王子は初めて描く髪の長い男性でした。長髪男性フェチの友人がいるので、推しポイントや好きなキャラなどを教えてもらいながら描きました。性格に関してですが、ロアは身近に感じる等身大の女の子に、王子は少し掴めないけど余裕と包容力のある大人を目指しました。
——おどおどしたロアの表情、手紙をもらった時に微笑む黒曜王子の表情など、いろいろな表情が描かれている作品でしたね。
高橋:見ただけで感情が手に取るように伝わる表情を目標に描きました。まだまだ試行錯誤中ですが、キャラが生き生きするように念じながら、特に瞳を大事に描いています。
——本作において特に思い入れのある表情は?
高橋:37ページの王子がロアの手を握るシーンは、普段微笑んでいる王子が珍しく真剣になっている顔なので頑張って描きました。もともとイケメンを描くのが苦手だったので、なかなか格好良くならずに歯痒い思いをしました。
――最後に今後の漫画制作の目標などを教えてください。
高橋:昨年初めて連載した『樫木先生は私を推している!?』(白泉社)が4月18日にコミックスを発売(紙・電子ともに)することになりました!まだまだこれからですが、人の心を少しだけ軽くするような物語を生み出していきたいです。どうぞよろしくお願いします!
◾️発売中の「ザ花とゆめ ファンタジー3/1号」にて『樫木先生は私を推している!?』の最新話が掲載中。
ソノヘンノ高橋の作品は白泉社「マンガPark」に掲載中!:https://manga-park.com/search/freeword?key=%E3%82%BD%E3%83%8E%E3%83%98%E3%83%B3%E3%83%8E%E9%AB%98%E6%A9%8B
©ソノヘンノ高橋/白泉社






















