累計部数500万部『TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには』誕生秘話を大いに語る 25巻発売記念イベントレポ
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漫画配信サービス・サイコミで連載中、累計部数500万部(※累計部数は電子書籍と紙書籍の合算)を誇る人気コミック『TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには』。新刊25巻の発売を記念して、著者・丸山恭右先生と、シナリオ担当・Zoo氏によるトークイベントが、東京・新宿ロフトプラスワンで1月19日に開催された。
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『TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには』(以下、『TSUYOSHI』)は、史上最強のコンビニ店員・ツヨシをめぐる戦いを描いた新世代格闘マンガ。お笑いコンビの麒麟・川島明と、かまいたち・山内健司が「漫画」を熱く語るバラエティ番組『川島・山内のマンガ沼』(読売テレビ)や『アメトーーク!』(テレビ朝日)でも、おすすめ作品として紹介されるなど、漫画通にも評価が高い一作だ。
本作品にとって初となるトークイベントとなる今回。本作品の制作エピソードや創作論、二人の初めての出会いなど、これまで明かされていなかった創作エピソードが会場を隅まで埋め尽くすファンの前で語られた。読者からの質問コーナーやプレゼントコーナーなど盛りだくさんの企画もあり大盛況に終わったイベントの模様を、抜粋・編集してお届けする。
丸山さんは僕が出会った人の中で最も「努力家な人」
ーーまず最初のテーマは「ぶっちゃけこれ、何の会?」です!
丸山恭右(以下、丸山):いやホントですよ。
Zoo:最初にこのトークイベントをやることをサイコミ編集部から聞かされた時、こういうイベントしたりグッズとか作ったりしても誰も来てくれないし、売れ残るだろうと思ったのでものすごく不安でした。
丸山:来てくれた10人くらいのお客さんと仲良くなって終わるんだろうな…とか考えてましたよね。だからこれだけ集まってくれて本当にありがたいです。
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ーー次のテーマは「丸山先生・Zooさんってどんな人?」です。Zooさん、丸山先生の印象はいかがでしょうか?
Zoo:丸山さんは僕が出会った人の中で最も「努力家な人」。初めて出会った頃はまだ漫画家ではなかったけど「漫画家になりたい」と言ったらちゃんと漫画家になって、「作品をヒットさせたい」と言ったら大ヒットさせて、「格闘技を極めたい」と言ったらちゃんと格闘家になる。あとYouTubeとか講演とか、ちゃんとどういうのが良いのかを勉強して成功させてたり。
丸山:そんなこともありましたね(笑)。僕にとってZooさんは「キャリアお化け」。もともと有名な漫画編集部の編集長で、これまでにも『マギ』のような大ヒット作品を手がけられている。僕が出会った頃から、すでに敏腕編集者として華々しい経歴を持っていた方でした。
Zoo:今は転生して原作者になりましたけどね。
「ツヨシ創作秘話」朝礼前に太極拳をする男との出会い
ーー次のテーマは「『TSUYOSHI』創作秘話」です。そもそも今作の発想はどこから来たものだったんですか?
Zoo:僕はもともとマンガワンという編集部にいながら、サイコミを手伝うことになって。Cygamesの社長から「サイコミで1位になる作品を作ってくれ!」という使命が与えられていたんです。そこでマンガワンではどんな漫画が読まれているかリサーチしたら、ダントツで格闘技漫画の『ケンガンアシュラ』が読まれている。男性向けの漫画アプリで人気になるには、やはり格闘技漫画のような男性向けの漫画が売れるんだろうなということは、もともと考えていたんです。
丸山:なるほど。
Zoo:そこで当時サイコミの社員だった丸山さんと出会うわけですが、その当時の丸山さんは休憩室で毎朝、奇妙な動きをしている。そこで僕が「何やってんすか?」と聞いたら「太極拳は最強です…! 氣の力があれば誰にでも勝てます」とか言ってるわけです。もうこれがきっかけでその会社で画が一番上手い丸山さんと、太極拳を使う謎のメガネの男を主人公にしたマンガを作るしかないと思いました。それとコンビニ店員がヤンキーを撃退する動画も見ていて、その二つを掛け合わせて誕生したのが『TSUYOSHI』です。
丸山:あの頃は中国武術に心酔してましたね。氣の可能性に目覚めてたタイミングでした。そしたら太極拳の使い手がボコボコにされている動画を見せられて。
Zoo:丸山さん当時は格闘技何も知らなかったから…。そのせいでバトルシーンも全く描けなかった。それもあって格闘技習うように勧めたんですよね。そしたらものすごくハマっちゃって今も続けている。実は、今日もこのイベント前に試合をしてきたんですよね。
丸山:そうなんです。
ーーその映像があるので皆さんで見てみましょう。
丸山:ええ…。
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