【漫画】終電で寝過ごし、見知らぬ町で立ち寄ったのは……? SNS漫画『終電を寝過ごしたら知らない町にいた漫画』に救われる

【漫画】見知らぬ町で立ち寄ったのは……?


ーー本作を創作したきっかけを教えてください。

ゲンキダウン:本作は某サブカル系雑誌の漫画賞に応募するために描き下ろしたものでした。そのため、いつもの自分の作風より設定が曖昧というか、まさに夢を見ている心地の話にしようとしたく、このような世界観になりました。賞は残念ながら選考漏れでしたが、Xでは多くの人に見てもらえて良かったと思います。

ーー本作を描くなかで印象に残っているシーンは?

ゲンキダウン:カラオケパブくじらが崩壊するシーンです。ここから大きく話が展開していくので描いていて楽しかったです。

ーー本作の舞台となった町について教えてください。

ゲンキダウン:本作の舞台は茨城県の大洗町です。モデルとして選んだ理由は大洗が大好きだからです。

 大洗は9年ほど通っていた土地で、元々は好きなアニメの舞台だったので興味を持ったのですが、通うにつれて住民の方の温かみですとか、空気がのどかな事ですとか、料理が美味しいことなど、アニメの聖地抜きにしても大変魅力的な場所であることを知り、大洗のファンになりました。

 それから好きが高じて、去年の秋に大洗へ移住しました。それくらい大洗は魅力に溢れた土地なのです。

ーーカラオケパブくじらのモデルとなったお店は実在している?

ゲンキダウン:実在しています。大洗のカラオケバー「歌族ステージ ドルフィン」がモデルであり、大洗に旅行に行く度、また移住した現在も足繁く通っています。

ーーモデルとして選んだ理由は?

ゲンキダウン:やはりドルフィンが大変魅力に溢れたお店だからです。気さくなマスターや、楽しい常連客の人たち、また酒を痛飲し歌を歌って大騒ぎすることで得られる楽しさなど、他の土地ではちょっと体験できない思い出を沢山もらったお店なので、舞台に選ばせていただきました。

 また大洗は多くのお店が夜早めに閉店するのですが、ドルフィンは深夜まで開いているという点も選んだ理由の1つです。

ーー本作では主人公と晃子さん以外の登場人物が目を閉じているように見えました。

ゲンキダウン:他のキャラクターが目を閉じたり糸目気味なのは偶然なのですが、マスターの目を閉じさせたのは、ある種の神秘性を持たせたかった為です。自分は自身の作品で神秘的なキャラですとか、知的なキャラに目を閉じさせがちなので、ある意味テンプレートです。

ーーカラオケパブくじらや町を「現実」ではなく「夢の世界」として描いた背景は?

ゲンキダウン:自分がオリジナル漫画で話を大きく展開させたいときに、夢、あるいは夢のような世界で描くことがよくあります。夢のような世界を舞台にするのは、つげ義春先生やpanpanya先生、鈴木清順監督の影響が大きいです。あそこまでソリッドな夢表現ではありませんが。

ーーゲンキダウンさんにとって、大洗はどんな場所ですか?

ゲンキダウン:最初は好きなアニメの聖地であることから興味を持ったのですが、その土地そのものの魅力に取り憑かれ、足繁く旅行したのち移住に至りました。自分にとってこれだけ思い入れのある土地というのは故郷を除けば他にありません。かけがえのない場所です。

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