【漫画】女性の血に飢えたドラキュラ、メイドロボと出会って……異色のカップルに胸が高鳴るSNS漫画
ゲームの影響を強く受けた作品
――今回『吸血王と鋼鉄ガール』を制作した理由は?
今田:5~6年前くらいからX(当時はTwitter)で4ページ漫画をお試しで描くようになりました。その中で新作づくりに悩んでいた時期に、なんとなくやりたい要素の“ドラキュラ”と“ポストアポカリプスもの”をくっつけようと思い、加えて“血が吸いたいドラキュラ”のカウンターとして“血が吸えないロボ”が頭に浮かびました。
――あれよあれよと設定が出来上がっていったのですね。
今田:その後、連載企画の1つとして練っており、当時は「ウェブなら連載OK」と編集さんから提案してもらいました。ただ、その時の自分は「どうしても紙で連載がしたい」という思いが強く、結局は読み切り漫画として『サンデーうぇぶり』(小学館)に掲載せていただくにとどめました。
――“ポストアポカリプスもの”がやりたい要素だったとのことですが、改めて本作の世界観はどこから着想を得たのですか?
今田:『The Last of Us』や『Fallout』といったゲームの影響が強いです。これらの作品のような崩壊した世界にワクワクします。また、物語は“欠けているものを埋めること”と“最も離れた2人が1つになること”を念頭に組み立てました。
――ドラキュラとアンはどのように作り上げましたか?
今田:2人のモデルが全く思いつかずに苦労しました。ただ、ドラは黒と赤、アンは白をイメージして描きました。また、アンは健康そうな身体かつ少し“機械感”のある要素をビジュアルに入れました。
スピード感を意識した理由
――ドラキュラとアンの喜怒哀楽の表情がどれも活き活きと描かれているのが印象的でした。
今田:前提として楽しそうな絵にすることを意識しました。設定をもっと突き詰めればドラは無表情冷血のほうが良いかもしれませんが。そのうえで2人が心情を吐露する表情に説得力が出るよう気を付けました。
――中でも気に入っている表情はありますか?
今田:アンは常にコロコロ変化しますが、どの表情も好きです。ドラは孤独に向き合う「誰かッ!!!!!」のところです。
――本作はとにかく疾走感を覚える内容でした。
今田:ドラキュラ、アンドロイド、崩壊した世界、と設定が多い作品です。ストーリーが立ち止まるといろいろなところが気になったり齟齬が出たりしてしまいそうだったため、「とにかくメイン2人に注目したまま読み終えてほしい」と思ってスピード感は意識しました。
――“苦戦を強いられるも愛の力で完勝する”というラストの戦闘シーンも爽快感がありました。
今田:心の動きを描けていないとせっかくのアクションシーンも“ただのアクションシーン”になってしまうため、「何のためのアクションか?」という疑問から逆算して作りました。
――最後に漫画家として今後どのように歩んでいきたいですか?
今田:まず『天黒のラグナロク』(以下、小学館)、『MINI4KING』、『ビックリメン私立メイドン女学院』が発売中です。どれも読み味が違い、面白くてカッコいい作品ですので読んでみてください。また、次回作はまだ構想中ですが、いつかアニメ化する作品を作りたいです。