『呪術廻戦』脹相の生き様に衝撃!  実は誰よりも人間らしい“最高のお兄ちゃん”キャラだった?

※本稿は『呪術廻戦』最新話までの内容を含みます。ネタバレにご注意ください。

(c)芥見下々/集英社

  5月13日発売の『週刊少年ジャンプ』24号(集英社)に掲載された『呪術廻戦』にて、またしても衝撃的な展開が巻き起こり、多くの読者たちを動揺させている。今回物語の中心となっていたのは、虎杖悠仁の“お兄ちゃん”として愛されるキャラクター・脹相だ。

  現在、作中では両面宿儺と呪術高専メンバーによる死闘が繰り広げられている最中。宿儺はこれまで謎に包まれていた奥の手「竈」(カミノ)、「開」(フーガ)を発動することで、戦場を地獄絵図へと一変させた。そこで脹相は自らの命を投げ出して虎杖の身を守るのだった。

  最期の瞬間、脹相と虎杖は2人きりでテーブルを囲みながらお互いに対する想いを打ち明けていく。そこで脹相は虎杖を1人残して去っていくことを気に病むのだが、虎杖が「渋谷事変」の直後、絶望の淵をさまよっていた頃にそばにいてくれたことへの感謝を口にすると、その言葉によって救われた様子を見せていた。

  とくに心を打つのは、彼の最期の言葉が「ありがとう」だったことだろう。というのも『呪術廻戦』に出てくる人間たちは、落命する際に“呪いの言葉”を残していくことが多い。「言ってはいけない」と思いつつも虎杖に「後は頼みます」と告げてしまった七海建人、楽巌寺学長に対する呪いとして完全自立型呪骸の秘密を教えた夜蛾正道など、さまざまな思惑によって他人の生き方を縛るような言葉を遺している。

  しかし脹相の最期にそうした呪いの片鱗は一切存在しない。彼が虎杖に向かって口にしたのは、自分を救ってくれたことに対する純粋な感謝の言葉だ。『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』にて、乙骨憂太と祈本里香の関係を見た五条悟は「愛ほど歪んだ呪いはないよ」と言い放ったが、脹相は深い愛を抱きながらも呪いを回避した稀有なキャラクターだったのではないだろうか。

  そもそも脹相は加茂憲倫の企みにより生み出された特級呪物「呪胎九相図」が、人間の身体で受肉を果たした存在。血筋としても母が人間、父が呪霊という形なので、いわば人と呪霊のハーフにあたる。だがそれでいて、彼の言動はほかのどのキャラクターよりも“人間らしさ”に満ちていた。

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