『呪術廻戦』は『Fate』シリーズをオマージュしてる? 見覚えある「領域展開」にひそかな声優ネタも

影響を与えたのは『呪術廻戦』だけではなく……

  思えば『呪術廻戦』には、『Fate』シリーズを思わせるような設定がいくつか登場していた。たとえば他者を「凡夫」と呼んで見下す“呪いの王”宿儺は、他の英霊を「雑種」として歯牙にもかけない人類最古の英雄王・ギルガメッシュに近いところがあると言えるだろう。

  また両作にはいずれも「御三家」の設定があり、激しいエリート主義と男尊女卑を特徴とする名門家系という意味で、『呪術廻戦』の禪院家と『Fate』シリーズの間桐家には近しいものを感じざるを得ない。

  こうしてまとめると、ますます芥見が“奈須きのこフォロワー”の1人であることを実感できるのではないだろうか。しかし実は現在の『週刊少年ジャンプ』連載作品には、他にも『Fate』シリーズの影響を感じさせる作品がある。2023年5月から連載が始まった川江康太の『鵺の陰陽師』だ。

  同作は平凡な高校生・夜島学郎が、学園に住み着く幻妖・鵺と出会ったことから始まる学園伝奇ファンタジー。夜島は『Fate/stay night』の衛宮士郎と同じく、強い自己犠牲の精神をもつ少年で、鵺と出会うシーンは衛宮とセイバーの邂逅に近い構図で描かれていた。『Fate』シリーズに頻出する通称“運命構図”となっていたのだ。

  ほかにもヒロインの1人、藤乃代葉をめぐる設定が間桐桜を思わせる部分があるなど、『Fate』シリーズのファンの心に深く“刺さる”作品となっている。

 『Fate』シリーズは約20年前から今に至るまで、さまざまな媒体でメガヒットを記録しているコンテンツ。『週刊少年ジャンプ』にその影響力が流れ込んでいたとしても、決しておかしくはないだろう。『呪術廻戦』に『鵺の陰陽師』、少年マンガ界隈に吹き荒れる現代伝奇ブームの勢いはまだまだ止まりそうにない。

 

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