『東リべ』の次はコレだ! 人気沸騰中の不良漫画『WIND BREAKER』が描く“新しい不良”の形
“不良らしくない”温かいメンツが新鮮
一癖も二癖もある風鈴高校の生徒たち。ボウフウリンメンバーは特に喧嘩が強く、四天王や総代クラスになればもう圧巻。簡単には太刀打ちできぬほどの実力を持ち、「強い奴」が大好きな遥は彼らの喧嘩を見て大興奮していた。
抗争が始まると不良としての顔を見せ始める面々だが、ボウフウリンの人々は基本的に穏やか。トップの梅宮一(うめみやはじめ)が優しく温かな人間性なのが関係しているのか、みんな“いい人”であり、ヤンキーとは程遠い空気感を持つのである。
本来、不良と言えば近寄り難く禍々しいオーラを発する生き物だと思うだろう。けれども『WIND BREAKER』に登場する男たちは街の平和を守るヒーロー。多くの人から愛される存在だからこそ尖った人物はおらず、不良の二文字がいい意味で似合わない生徒たちばかり。この雰囲気の良さに圧倒された遥は未だ慣れず、彼らの優しい態度に戸惑いを見せる
「あれ、ヤンキーってこんなんだったっけ?」……と思うのは読者も同じこと。けれども、これは悪い意味の困惑ではなくいい意味でのギャップ。朗らかで温かく、どこかくすぐったい。それがボウフウリンという特別な自衛団なのだ。
拳は誰かを守るため!新感覚の不良モノ『WIND BREAKER』
不良が喧嘩をするには必ずワケがある。ただ暴れたいから……と中毒(ジャンキー)になっている例もあるが、男が拳を振るうのは何かを守りたい時。『WIND BREAKER』に登場するボウフウリンたちは街の平和や仲間を傷つけぬよう、体を張って戦い抜く。なんと格好いい集団なのだろう。
ヤンキーと一口に言えども、今は色々な集団の形がある。本作は全く新しい感覚を我々に与えてくれるため、従来の漫画ファンにもきっと“刺さる”ことだろう。
桜遥の成長だけではなく、個々の過去や活躍ぶりにも期待したいところ。ぜひ全巻チェックして、アニメ放映に備えようではないか。