辻村深月「人生で一番刺さった小説」と評判のベストセラー『傲慢と善良』が映画化決定
2019年に単行本、2022年に文庫版が発売され、現在、電子書籍版も含めた累計発行部数は70万部に到達した辻村深月のベストセラー、『傲慢と善良』(朝日新聞出版)の映画化が発表された。
作家生活15周年記念作品として刊行された辻村深月の傑作恋愛ミステリ、『傲慢と善良』。読者からは、「人生で一番刺さった小説」「真理を突かれすぎて耳が痛い」などのコメントとともに、絶大な支持が寄せられている。マッチングアプリで出会った婚約者・坂庭真実が忽然姿を消し、その居場所を探す西澤架。真実の手がかりを探す過程で、架は真実の過去と向き合うこととなる。
辻村深月の作家としての強みの1つは、深い人間心理の分析と、それを見事に表現する筆力だ。本作でも、婚活という、他者をジャッジせざるを得ないような場面で炙り出される、一見“善良”に思われるような人間の、目を背けたくなるような“傲慢”さが、痛々しいほどに考察され、巧みに描かれおり、高く評価されている。
今回の映画化に際して、作者の辻村深月は「『傲慢と善良』を書いて数年、今も届く読者の皆さんの感想の声の切実さ、多様さに驚いています。それはおそらく、この小説の誰か・何かに皆さんが「自分」を見てくれているからなのでしょう。映画化を通じ、より多く深く、皆さんの心に刺さるものがあることを願っています。」とコメントしている。
キャストや公開時期については未発表。発売当時から「実写映画化に期待!」「勝手にキャスト予想してしまいました」などの声が上がっている本作。ナイーブな心象描写が魅力の『傲慢と善良』の世界が、映画ではどのように表現されるのだろうか。続報を楽しみに待ちたい。
■著者プロフィール
辻村深月(つじむら みづき)
1980年2月29日山梨県生まれ。作家。千葉大学教育学部卒。2004年に『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞し、デビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞受賞。著書に『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『島はぼくらと』『青空と逃げる』『琥珀の夏』『闇祓』『嘘つきジェンガ』『この夏の星を見る』など多数。
■辻村深月『傲慢と善良』特設サイト
https://publications.asahi.com/gouman/
■作品概要
『傲慢と善良』(朝日文庫)
発売日:2022年9月7日(水)
定価:891円(本体810円+税10%)