「チュン!」だけの声も……『鬼滅の刃』モブキャラ起用の”超大物声優”誰だかわかる?

『鬼滅の刃』モブキャラ起用の”超大物声優”

 最終回の視聴率7.6%と好評のうちに放送が終了したアニメ『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』。後半に登場した鬼・憎珀天の声がまさかの山寺宏一と判明した時には、驚きとともに「ここにビッグネームを持ってくるとはさすが鬼滅」とネット上で話題になったことを憶えている人も多いのではないだろうか。

 『鬼滅の刃』の声優陣は主役の竈門炭治郎(cv花江夏樹)をはじめ、「刀鍛冶の里編」で活躍した甘露寺蜜璃(cv花澤香菜)、不死川玄弥(cv岡本信彦)など超豪華。ほかの柱にも関智一や杉田智和、小西克幸など人気声優を揃えていることでも有名だ。

 これだけ多くの有名声優を起用しているアニメ『鬼滅の刃』には、ファンが思わず「もったいない!」と叫んでしまいそうなキャスティングが多々存在する。そこで今回は『鬼滅の刃』に見られる(いい意味での)“声優の無駄遣い”を紹介しよう。

一斉粛清される鬼にも主役級の声優を起用

  有名なのは、『鬼滅の刃 竈門炭治郎 立志編』の最終回、鬼舞辻無惨による通称“パワハラ会議”でのキャスティング。集められた下限の鬼たちに声を当てたのが超豪華声優陣だったのだ。まず下弦の壱・魘夢には平川大輔を起用。そして下弦の弐・轆轤に楠大典、下弦の参・病葉を保志総一朗、下弦の肆・零余子を植田佳奈、下弦の陸・釜鵺がKENNと今をときめく人気声優ばかり。

  上記の鬼たちは最終回のみの登場、それも魘夢以外はすぐに無惨によって殺されてしまうためそれほどセリフが多いわけではない。にもかかわらず、この豪華さである。各声優のファンの中には「もう出番終わり?」と思わず目を(耳を)疑った人も多かったのではないだろうか。

「チュン!」の声をあてたのはあの実力派声優

  また、鬼殺隊員に次の指令やお館様の指示を伝える「鎹鴉」の声もかなり豪華だ。鴉は鬼殺隊員一人ひとりに1羽ずつ付いていて、たとえば炭治郎には「天王寺松右衛門」という立派な名前の鴉(cv山崎たくみ)が付いている。また我妻善逸にはなぜか鴉ではなく雀が支給されているのだが、鴉のようには喋れず「チュン!」しか言えない。なのに、声は石見舞菜香である。石見舞菜香といえば、アニメ『推しの子』で天才的な憑依型演技を見せた黒川あかねを演じた声優だ。実力のある声優に「チュン!」だけを喋らせるとはなんという無駄遣い……。

  ちなみに「那田蜘蛛山編」には鴉役で高木渉、檜山修之といった大ベテランも起用されている。一言二言しかセリフのない鴉に大御所声優を起用するとは、驚くべき「声優の無駄遣い」ではないだろうか。ほかにも時透無一郎の鴉・銀子には釘宮理恵が、煉獄杏寿郎の鴉に千葉進歩、甘露寺蜜璃の鴉は堀江由衣が声を担当するなど鴉のキャスティングはかなり豪華である。

  「声優の無駄遣い」は「刀鍛冶の里編」でも大いに発揮されていた。少ししか出番のない、名もなきモブキャラに羽多野渉を起用。同様に、回想シーンにしか登場しない甘露寺蜜璃の父と母を野島健児、皆川純子が演じるなどもったいないにも程があるキャスティングだ。

  アニメ放送初期から豪華声優陣を起用し続けている『鬼滅の刃』。次作「柱稽古編」の制作決定にあたって、ストーリーもさることながら「次はどんな声優が“モブ”を演じるのか」が気になって仕方ない。

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