【漫画】マッチングアプリで出会った女性に「ぽっちゃりだと思いますか?」と聞かれたら……コンプレックスを描いた漫画が話題

――作品の反響はいかがですか?

チャン・メイ:他の漫画だと自分の意見を添えた引用リツイートが多いのですが、今作については粛々と拡散されていますね。なので、あまり感想が見れていません。共感しやすいテーマだと思いますが、実際にコンプレックスを持つ人はあまり公に意見を言わないのかな……と思いながら見ています。

――物語の着想は?

チャン・メイ:今までの作品は自分の体験談をベースに話を作ることが多いです。でも最近は作品の幅を広げるためにも、実際に体験したエピソード以外のところから漫画を描く練習をしてます。なので今はあえて自分と縁遠い(数年前使ってましたが)、「マッチングアプリ」というテーマを縛りにして描いています。

 ただ自分のエピソードトークだと思い入れも込められる反面、幅が広がらないんですよ。本当はファンタジーも描きたいのですが道は遠くて。

――「私って普通だと思いますか、ぽっちゃりだと思いますか?」という質問は、個人的に「普通だよ」と言ってほしい女性側の期待もあるかなと感じますが。

チャン・メイ:期待はしていても、期待に応えてほしいとは思ってないはず。会話の意識さえもなく、もはやアンケートするくらいの気持ちなのではないでしょうか。でも、こんなこと聞かれても困りますよね。「もうこの人とは縁がない」と感じた時の雑なコミュニケーションって、あるあるだなと思って本作を描きました。

――普段から友人とそんな会話を?

チャン・メイ:はい。会社員として働いているのですが、職場には同年代が多いので、友達みたいな感覚で赤裸々に色々な人のエピソードを聞くことが多いです。

――例えば前作「本気になれない女と本気すぎる男のマッチングナイト」では、主人公の女性が「二度と会わないって人に気を遣うの無駄すぎる」と心で呟いてから相手に迫る場面があります。そのような場面は現実に起こりえます?

チャン・メイ:よくある感情だと思ってますが、特に私の周りに多いだけかもしれません。職場の特性上、ハードな働き方の人が多いので(笑)、普通よりも無駄を楽しむカルチャーは薄い印象です。私の周りに限らず、みんな色々な事情で少なからず忙しいと思いますし、共感できる人は少なくないはず。でも、たまに男性から「こんな女の人がいたら嫌だ」という意見もありますね。

――イントロからタイトルのプレゼンテーションまでの流れも技ありだと感じました。

チャン・メイ:基本はTwitterに載せるために描いているので、最初の2ページで要点を伝えようと計算してはいます。1ページ目にタイトルを置くと、タイトルの響きや絵柄だけで判断されそうなので、モノローグからの流れでキャッチーさを演出しました。

 あと普通とぽっちゃりの間にいる女性の描き方が難しく、「ぽっちゃりかな?」というギリギリのラインを探りながら描いたのも覚えています。他の人から見たら気にならないコンプレックスも多いので、そこも描きたかったポイントでした。

――登場する女性はおしゃれなのですが、男性はそうでもない印象です。これについては?

チャン・メイ:男性はおしゃれに描けなくて……。モデルとしては夫や会社にいる男性をイメージしつつ、それがぐちゃぐちゃ混ざる感じ。女性は特定の仲良しな友達を色々な角度から切り取って描いています。自分と彼女が合体したようなキャラがほとんどかもしれません。

――次回作の構想などがあれば教えてください。

チャン・メイ:次は仕事に疲れた男性が主人公のマッチングアプリものを描こうと思っています。でも自分が最近仕事が忙しいので、それを投影しているところがあるのかも(笑)。仕事のストレスを吐き出せるのも漫画のいいところなんです。

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