『スキップとローファー』なぜリアル? スクールカーストを炙り出す”美津未”の存在

『スキップとローファー』はなぜリアル?

TVアニメ化によって、ますます多くの人を魅了しているスクールライフ・コメディ『スキップとローファー』。同作の魅力といえば、生き生きとしたキャラクターたちの青春模様にあるが、そこにはスクールカーストに苦悩するリアルな少女の姿も隠されている。

 同作の主人公・岩倉美津未は、石川から上京して都内の進学校に入学した女子高生。強烈にピュアで素直な彼女の振る舞いは、周囲に大きな影響を与えていく。

 2020年8月にWebメディア「コミスペ!」に掲載されたインタビューでは、作者の高松美咲が美津未とほかのキャラクターの違いについて言及したことがあった。人口が少ない田舎町で育った美津未は、ある程度周囲の空気から自由でいられるが、都会育ちのクラスメイトたちは空気を読みすぎてしまう面があるという。

 こうした設定は、同作が連載されている「月刊アフタヌーン」の特色とも言えるかもしれない。植芝理一やとよ田みのるといった漫画家たちに代表されるように、同誌では教室にいる“ちょっと変わった子”が、その自由さゆえに周囲を変える特別な力をもつ……という作品がいくつも生み出されてきた。


 ある意味、美津未も同じ系譜にあり、“アフタヌーンらしい”魅力をもった主人公なのではないだろうか。

 なお、同作では美津未だけでなく、他のキャラクターたちもスクールカーストにそこまで囚われていないように見える。だからこそ心と心がぶつかるような、ピュアな人間関係が成立しているのだろう。

 そこで例外と言えるのが、江頭ミカの存在だ。

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