【ONE PIECE考察】ゴムゴムの実とはなんだったのか? “ふざけた能力”の可能性
※『ONE PIECE』本誌のネタバレを含みます。
約25年間も連載を続け、「週刊少年ジャンプ」の第一線を走り続ける『ONE PIECE』。そんな長い本作の歴史で最大と言えるどんでん返しが、2022年17号にて巻き起こった。
ルフィがゴムゴムの実を食べ身体が伸びるゴム人間であることは、『ONE PIECE』を読んでいない人でも多くが知っているだろう。しかし彼が食べた悪魔の実「ゴムゴムの実」にはもともと別の名前があったのだ。
ルフィが食べたと明かされた悪魔の実「動物系ヒトヒトの実 幻獣種モデル“ニカ”」とは、どのような悪魔の実なのか。今回は明かされた衝撃の事実が与える影響や今後の展開について、ワンピース研究家である神木健児氏に話を聞いた。
「1044話でルフィが食べた悪魔の実の正式名称が『ゴムゴムの実』ではなく、『動物系ヒトヒトの実 幻獣種モデル“ニカ”』であると明かされました。太陽の神・ニカは奴隷達がいつか自分達を救ってくれると信じていた伝説の戦士で、人を笑わせ苦悩から解放してくれると言われています。ルフィがゴムゴムの実の能力者ではないと知ったときは、率直にびっくりしましたね。正確にはゴムゴムの実がもう一つの名でもあるので、ゴムゴムの実ではないというのは誤解があるのですが、それでも衝撃を受けました。ワンピース史上最大のトリックであり、尾田先生の仕掛けだと思います。数話前から伝説の実の存在は示唆されていました。主人公ルフィにスポットが当たる中で、実際に『ゴムゴムの実が伝説の実に該当するのでは』と考える人も多かったです。でもファンとしてはやはりずっと一緒に冒険してきたので、ゴムゴムの実はゴムゴムの実であってほしいという気持ちもあって。しかし『ヒトヒトの実 モデル“ニカ”』はふざけた能力だとも語られました。数年前のSBSで、尾田先生はゴムゴムの実にした理由をふざけた能力がよかったからだと話しているんです。それを知って納得したファンは多いと思います」
そもそも超人系能力者だと思われていたルフィが、動物系能力者だっただけでもかなりの衝撃発表だ。
「動物系悪魔の実は覚醒するとタフさが上昇することがクロコダイルの口から、迫撃戦においては最強であることがルッチの口から語られていました。そして今回新たに判明した事実もあります。それは動物系悪魔の実には意思が宿るということです。たしかに驚きではあったんですけど、今考えれば物に悪魔の実を食べさせる技術はそういうことだったんだなと思います。例えば象剣のファンクフリードなどは意思がないとあり得ない現象なので、そこは非常にスッキリしましたよね。またこれまでに登場した動物系の悪魔の実にも、モデルはありました。しかし従来は固有名詞ではなく、大きな括りでの種族名だったんです。それがニカの場合は、完全に固有名詞のモデルとして出てきました。もちろんそういう幻獣が漠然と存在していたという可能性もあるのですが、今のところニカは一人の戦士だったように感じられます。そうなってくると一人の戦士である太陽の神・ニカが死んだところで、そのまま悪魔の実にはならないと思います。自分で死の間際に果実に魂を宿したのか、もしくは誰かが封印するような形でねじ込んだのか。どのようにその実がなったのか、そしてそもそも悪魔の実とはなんなのかという、作品の根本に触れる謎がそろそろ描かれる予感がしています。また動物系の中には、ニカ以外にも特別なモデルを持つ実が存在する可能性もあるでしょう。そうなると気になるのが、黒ひげの正体です。ファンの中には『イヌイヌの実 モデル“ケルベロス”を食べた説』など、彼が動物系能力者だと考察する人も多い印象でした。そうなると彼がニカとは逆の、何か闇の神のような能力を持っている展開もあり得ますよね。黒ひげが絡む展開になれば、彼が暗躍している理由や、ラスボスとなり得る理由も判明するかもしれません」
ルフィが食べた悪魔の実の希少性が描かれれば描かれるほど、重要度が増すのが謎多きあの男だ。