『ONE PIECE』ナミがヨーロッパで大人気に? 「第1回 ONE PIECEキャラクター世界人気投票」を徹底分析

ONE PIECE人気投票を徹底分析

 全世界の読者を対象に開催された『ONE PIECE』のキャラクター人気投票「第1回 ONE PIECEキャラクター世界人気投票」。総勢1174のキャラクターの中から世界一を決めるオンライン人気投票では、世界中から約1200万票超の投票が寄せられた。その最終順位が5月5日に発表されたが、麦わらの一味最初期のメンバー(1位ルフィ、2位ゾロ、3位ナミ)がトップ3を独占するという快挙、国と地域によって人気のキャラクターに明確な違いがあることなどが判明し、世界各国で大きな反響を呼んでいる。

(C)尾田栄一郎/集英社

 「リアルサウンド ブック」では、ワンピース研究家として知られ多数のメディアで活躍する神木健児氏に、ランキングの見どころ、ランキング順位から浮かび上がってくるファンの思い、ランキングにおける地域差についてなど話を聞いた。

「総投票数1200万超。2017年に実施されたキャラクター人気投票は総投票数が約8万なので、今回の世界人気投票の規模は桁違いでした。加えて麦わらの一味最初期のメンバーである、ルフィ、ゾロ、ナミがトップ3を独占するなんて、まるで漫画のようなストーリーで感動的です。これは『ONE PIECE』ファン納得の結果だったのではないでしょうか」

 さらに、ランキングにおける意外性については次のように言及している。

「やはり、38万票以上の票を獲得し、8位にランクインしたキャロットはダークホースでした。日本のランキングでは24位だったのですが、海外では総じてまとまった票を獲得しており、北米では6位、オセアニアで4位と驚異的な人気を見せつけました。これは今までの人気投票でチョッパーに集中していた”可愛いキャラ票”がキャロットに一部流れたからかもしれません。今回チョッパーはランキング22位に沈んでしまい、いつものような存在感を示せなかった印象があります。前回の人気投票では7位でしたし、マスコットとしての愛着が海外の方にもあると想定していたのでもっと上位に食い込むかと思っていました。また、『ONE PIECE』公式YouTubeチャンネル内のオンライン特別番組「ONE PIECE TIMES ~WT100最終結果発表~」内で言及があったように、動物の仮装に親しみがある文化的背景がキャロットの得票数に繋がったのかもしれないですね。また、オセアニアではトップ4がナミ、ロビン、ヤマト、キャロットで女性キャラクターが上位を占めています。この要因はわからないですが、そういった私たち日本人とは違う、文化的要因や地域性が各国で現れているのが興味深いです」

 また、今回大躍進を果たしたナミの人気についても分析してもらった。

「過去6回の人気投票では5位〜8位を行ったり来たりしていたナミが3位にランクインしました。中間発表でトップ10入りはしていたのですが、トップ3に食い込むとは思いませんでしたね。ナミが3位になったのは、今回の投票が「世界」人気投票という新しい試みだったからとも言えます。具体的にいうとこれは主にヨーロッパにおけるナミ人気の高さですね。ヨーロッパのナミの得票数は約35万で、ルフィの得票数(約17万)の倍以上の票を獲得しているんです。ヨーロッパでなぜこんなにもナミが人気なのか。分析は難しいですが、やはりナミが女性としての優しさ・強さ・美しさを兼ね揃えた理想的な女性キャラクターだからではないでしょうか。世界のファンのパワーが偶然にもTOP3を感動的な結果にしたと言っても過言ではないでしょう」

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