精神科医・樺沢紫苑が教える”ストレスフリーな生き方” 「職場の人間関係はもっとドライでいい」

精神科医が説く”ストレスフリーな生き方”

うっかりミスや不眠は鬱病の兆候??

――最後に鬱病について。突然職場でパニックになった、急に涙が止まらなくなったなど、前触れなく鬱病を発症したという人もいますが、実際は自覚症状がないだけで兆候が出ていたのでしょうか。

樺沢:突然ということはまずあり得ないんですね。診察に来て、なんでこうなるまで放っておいたの? という人がほとんどです。職場の皆さんから見ると昨日まで普通だったように見えたかもしれませんが、鬱の患者さんは明るく取り繕うことがあります。

 鬱の兆候というと、気分が落ち込む、何もしたくない、会社に行きたくないといったイメージがあるかもしれませんが、それは中等度〜重度の鬱です。最初の段階から気分が落ちるのではなく、不眠やうっかりミスが増える、普段きちんとしている人が書類の提出期限を忘れるなど、脳疲労の重要な兆候が最低1カ月前、2,3カ月前から何かしらの不調は出ていて、徐々に進んでプチっと切れて爆発します。

 こちらの『ストレスフリー超大全』にはストレスに対してかなり初期の段階から防げることが書いてあります。鬱になって気づくことも重要ですが、その前段階で気づき、対処すれば鬱になりません。自分のストレスを早めに流してもらえたらと思います。

■樺沢紫苑プロフィール
精神科医、作家。1965年札幌生まれ。91年札幌医科大学医学物卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理研究所を設立。「情報発信を通してメンタル疾患、自殺を予防する」をビジョンとし、YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで累計50万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動している。シリーズ70万部の大ベストセラーとなった著書『学びを結果に変えるアウトプット大全』『学びが効率化するインプット大全』(サンクチュアリ出版)をはじめ、30冊以上の著書がある。

 ■書籍情報
『精神科医が教える ストレスフリー超大全』
著者:樺沢紫苑
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2020年7月3日
定価:1,760円(税込)

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