『ONE PIECE』ニコ・ロビンの戦闘力は? “ハナハナの実”だけではない、知識の強さに迫る

 マンガ『ONE PIECE』において、いったい誰がもっとも強いのだろうか。この問いには無限に回答があるだろう。では、麦わらの一味はいったいどれくらい強いのかーー。例えば、一味の女性メンバーのひとりであるニコ・ロビン。過酷な過去を背負い、いくつもの死線をたったひとりで超えてきた彼女だが、果たして彼女はどれくらい強いのだろうか? 

『ONE PIECE(41)』

 ルフィたちにとって、ロビンといえば元は敵対関係にあったのは誰もが知るところ。彼女はハナハナの実の能力者ということもあって、初登場時に麦わらの一味の面々を圧倒していたことも記憶に残っている。ハナハナの実の能力とは、能力者自身の身体の一部をあらゆるところに花のように咲かせることができるというもの。たとえ対する相手が能力者であっても不意打ちが可能であるし、対人戦において、相手の目や耳を塞ぐこともできてかなり手強い。さらには、自身の目や耳を敵地に咲かせることで、諜報活動でも力を発揮。さまざまな場で応用が効く、汎用性の高い能力なのだ。

 しかしあの場面にあったのはロビンの“能力(チカラ)”的な強さだけではなく、すべてを知り、すべてを見透かすような彼女の言動にもあった。つまりこの時点では、ロビンのことを誰も知らず、彼女はルフィたちのことを知っていたのである。闘いにおいて、相手のことよく知っているか否かでは、大きく戦況が変わってくる。この場面で乱闘が起きたわけではないが、ロビンの“強さ”が読者の脳裏に刻まれた瞬間だったのではないか。

 この世には、「ペンは剣よりも強し」という言葉がある。これは、英国の作家であるエドワード・ブルワー=リットンによる戯曲『リシュリューあるいは謀略』にあるセリフだ。たしかに、ときに知識は暴力に勝ることがある。そうであって欲しい。だがこの言葉は本来、“ペンによるサインひとつで暴力を鎮めることができる”という意味らしい。これはどちらの意味に捉えたにしても、ロビンに当てはまる言葉なのではないだろうか。考古学者である彼女の知識は、その場その場に応じて知恵となり、戦況を左右することがある。そしてやはり、“ペン”は知識がなければ握ることができない。また、“サインひとつで暴力を鎮めることができる”というのは、“暴力を操作することができる”という恐ろしいものにも言い換えられるだろう。“(何かを)操作する”という意味では、彼女のハナハナの実の能力がまさにそうだ。そして何より彼女は、ポーネグリフを解読することができ、古代兵器復活のカギをも握っている存在なのである。

 さて、物語序盤では恐れられた悪魔の実の能力だが、それは万能ではない(もちろん、カナヅチということは除いて)。グランドライン突入以前はそのチカラは珍しいものであったが、海を進むにつれ、それは珍しいものではなくなった。実際、麦わらの一味でも、ルフィ、チョッパー、ロビン、ブルックらが悪魔の実の能力を有している。逆のことをいえば、ひとつの海賊団に能力者が4人しかいないのも珍しいくらいなのではないか。

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