滝沢カレン節のレシピ本『カレンの台所』はちゃんと使えるの? 話題の“鶏の唐揚げ”を作ってみた
『カレンの台所』の「鶏の唐揚げ」が人生レシピに
本書で最初に掲載されているのは、インスタグラムでも話題をかっさらった鶏の唐揚げだ。さっそく作ってみることにし、レシピを読む。
やれやれとボッタリくつろぐ鶏肉(鶏の唐揚げ)
お醤油を全員に気づかれるぐらいの量(鶏の唐揚げ)
カレン語で綴られる物語がボリューム全開で脳内にこだまし、神経を伝わり、キッチンに立つ私の手を動かしていく。大さじ、小さじを使い、デジタルスケールで数字とにらめっこしていた頃が、江戸時代ぐらい遠くに感じる。
唐揚げにつきものの生姜とにんにくを、
鶏肉ひとつにアクセサリーをつけるぐらいの気持ちで(鶏の唐揚げ)
ちょんちょんと加えるくだりに指がワクワクする。
自分が二の腕気にして触ってるぐらいの力で(鶏の唐揚げ)
お肉に調味料を揉み込んでいく。ハハハ、二の腕。薄着になる前になんとかしないとね、なんて夏に思いを馳せながら、料理が進む。
だんだんとキャピキャピ音が高くなってきたら、ほんとに出してくれの合図です。
揚げ物に慣れた者だけが知り得るあのサウンドを、ここまで的確に表現した書が他にあるだろうか?
かくして出来上がったのは、二度揚げ効果で衣ザクザク、頬張るたびに溢れる肉汁に歯と舌が喜び、つられて私も笑ってしまうほどの絶品唐揚げだった。あの時、かわいい子を愛でるような気持ちでちょんちょんとつけたにんにくと生姜もしっかり効いている。自分が知り得る唐揚げレシピとしては過去最高傑作をマーク。ついに人生レシピを手にした喜びに、心の中でガッツポーズをキメてしまった。
この他にも本書は、スタンダードなレシピを約30品掲載。ラザニア、肉じゃが、鶏のさっぱり煮など、どれも胃袋がアンコールするレベルにおいしかったから、もっともっと読みたい気持ちにさせられる。が、滝沢風にいえば「本には終わりがあっちゃいます」。仕方ない。アーノルド・シュワルツェネッガーの大ファンという彼女が「I'll be back」と続編を約束してくれることを、首を長くして待つことにしよう。その日が来るまで、キャピキャピの唐揚げさんたちと何度でも友だちになりながら。
■大信トモコ
元Supersnazz、現在はTweezersとRock Juiceで活躍中の歌うベーシスト。趣味は映画と音楽鑑賞、料理本集め。Twitter
■書籍情報
『カレンの台所』
滝沢カレン 著
価格:1,400円+税
出版社:サンクチュアリ出版
公式サイト