『アサヒカメラ』篠山紀信が令和初表紙に選んだのは広瀬すず

篠山紀信が令和初表紙に選んだのは広瀬すず

 日本写真界のトップを走り続けている篠山紀信は現在79歳。1987年から毎年『アサヒカメラ』1月号の表紙と巻頭グラビアを撮影してきた。「写真は時代を写す鏡」と常に口にしている篠山が、令和になって初めての表紙に選んだのは、女優の広瀬すず。しかも、スタジオや屋外ロケでカメラを意識したものではなく、舞台稽古中の1枚だ。

 その舞台とは『Q:A Night At The Kabuki』。映画『ボヘミアン・ラプソディ』で日本中にブームを巻き起こしたロックバンドQUEENの提案があり、野田秀樹がアルバム『オペラ座の夜』にインスパイアされて舞台化した作品だ。ホン読み、稽古、そして舞台を篠山紀信が撮影。そのなかから、選びぬかれた写真が本誌に掲載されている。

 「流れる曲は『Love of My Life』。不覚にもぼくは涙が止まらなかった」

 篠山がそう綴った、圧倒的な力に満ちた舞台。その空気までも伝わってくるような迫力の写真に、篠山があぶり出す“時代”を感じられるはずだ。表紙だけでなく、33ページにわたる巻頭グラビアには、広瀬すずはもちろん、松たか子、上川隆也、志尊淳、橋本さとし、小松和重、伊勢佳世、羽野晶紀、竹中直人、そして野田秀樹らが登場している。

 また同号では、岩合光昭・桜井寛・鈴木理策・高砂淳二・竹内敏信・森山大道・米美知子・ルーク・オザワら、128人もの写真家たちが、レンズについて語っている。風景やスナップなど、それぞれのジャンルを代表する写真家らが愛用するレンズとは? 「標準レンズ」とは、いったい何が「標準」なのか? 「神レンズ」は、果たして存在するのか? レンズ設計、歴史、生まれた名玉といった知識欲を満たすのと同時に、次に自分が手にするべきレンズは何か、作品づくりにどう生かすか、ステップアップのためのヒントにも満ちた特集となっている。

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■書誌情報
『アサヒカメラ』2010年1月号
出版社:株式会社朝日新聞出版
発売日:2019年12月20日
定価:907円+税
※デジタル版も同時配信予定です。

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