2025.05.30 19:00

Little Glee Monster、ロックな新曲でも響かせる“らしさ”　「脱・優等生」で知る新しい自分たち

「夢じゃないならなんなのさ」から見えてくる“新しいリトグリ”らしさ

『夢じゃないならなんなのさ』 - Little Glee Monster

──おっしゃるように、こんなに短い期間でMVが次々と公開されたのにもびっくりでした。表題曲の「夢じゃないならなんなのさ」は4月からスタートしたテレビアニメ『ロックは淑女の嗜みでして』のエンディングテーマということで、リトグリにしては珍しくロック色が強めのテイストです。

アサヒ：歌詞に関しても、いつもは聴いている人たちの背中を優しく押すようなものが多いですけど、今回は〈ぶちかませ〉とかリトグリにしては結構強めな言葉が並んでいますしね。

かれん：アサヒの口から〈ぶちかませ〉なんて言葉が出てくるとは、誰も想像してなかっただろうしね（笑）。

MAYU：確かに、初めて聞いた（笑）。

アサヒ：（笑）。そういうところも新鮮で、「こういう強い歌詞を歌うリトグリも好き」とガオラー（リトグリファン）の方からも言ってもらえることが多いので、新しいきっかけをくださったことがとてもありがたいです。

かれん：私も最初にこの曲を聴いたとき、いい意味でリトグリっぽくなくて「めっちゃいい！」って思いまし、こういう新しいチャレンジができることがすごく嬉しかったです。

ミカ：ギターから始まるのも新鮮ですし、私も最初に聴いたときから「早く歌いたい！」って思いました。

miyou：メロディもスッと入ってきて、みんなで「いいよね？」って話したよね。

──アルバム『Ambitious』からの流れで聴くと、この新機軸はスッと入っていけるものがあるのかなと。あと、個人的にはこの無駄を削ぎ落としたシンプルなトラックがJ-POP的というよりも海外のメインストリームにあるポップスやロックに近い印象を受けたんです。

かれん：ロックやけど、意外とシンプルですものね。

miyou：だからなのか、すごく聴きやすいし。

MAYU：その中で、コーラスでしっかり個性を際立たせていて。

かれん：うん。そこはリトグリらしいよね。

──そう、サウンドで勝負するのではなくてしっかり歌とコーラスワークで勝負しようという姿勢が、随所から伝わってくるんです。シンプルなトラックだからこそ、歌の聴かせ方、届け方も難しそうですよね。Bメロでの複数人で畳み掛ける感じも、あのテンポ感だと一方で間違ったら大変なことになりそうですし。

結海：まさに、今言っていただいたBメロの部分はすごく難しくて。その一瞬でハモらないといけないので、練習中も「これ、ちゃんとできているの？」と感じる瞬間が結構あったんですけど、練習を重ねていくうちにどんどん揃っていると感じられるようになりました。でも、まだまだ気を抜けないです（笑）。

MAYU：私にとっては「自分ってこんなに声張れるんや」か「自分、がなれるんや」と思った曲ですね。皆さんが思っている以上にキーが高い曲なんですけど、ステージで歌うときはイントロが鳴り始めると勝手にギアが上がる感じがあるんですよ。なので、歌いながら「あれ、自分進化しちゃってるのかな？」って実感できましたし、今まで知らなかった自分を知れたという点でもとにかく楽しいです。

かれん：ずっと“おらついている”というか。

MAYU：うん。リトグリってずっと「脱・優等生」を目標に掲げていたんですね。横1列でまっすぐ歌うっていうイメージが強いと思うので、それを崩していきたいねっていうことは『UNLOCK!』（2024年）の頃から話していたんですけど、いざ実践しようとするとなかなか難しくて。でも、今回それを体現でき始めているんじゃないかなという気がするので、テレビとかで見てもらうとまた……。

かれん：「おやおや、リトグリ？」ってね（笑）。

MAYU：そう感じてもらえるのかなっていう、ワクワクを今感じているところです。

──特にここ最近は『ORIGAMI』や『Break out of your bubble』と、シングルでは落ち着いた楽曲が続いていましたし。

MAYU：そういう楽曲では従来の「まっすぐ届ける」スタイルが合っていたんですけど、今回はそんなことにはならないぞと。

アサヒ：止まってられないぞと（笑）。

MAYU：そういうワクワクにも新たに出会えて、とにかく楽しいですね。

──テレビアニメ『ロックは淑女の嗜みでして』の中で、鈴ノ宮りりさと黒鉄音羽が演奏を始めた瞬間にスイッチが入るような感覚が、皆さんの中にもあると。

MAYU：まさに、その通りです。

強い歌詞だからこそ歌う時に意識しているもの

──先ほど、かれんさんが「アサヒの口から〈ぶちかませ〉なんて言葉が出てくるとは」とおっしゃっていましたが、確かに初期からリトグリを見てきた身としても新鮮でした。

アサヒ：「あんまり言わなさそうな言葉が多いから、ギャップを感じます」ってよく言われます（笑）。ライブでも6人でこの曲を歌い始めるとものすごい熱量を感じることができるので、音楽番組で披露したときにテレビで観ている皆さんからどんな反応を得られるのか、今から本当に楽しみです。もちろん、ロックならではの荒々しさを全面に打ち出したいとは思っているんですけど、逆に雑になりすぎないようにしなきゃってことは常に意識しています。

──個人的には大サビ前、かれんさんが〈そうだ All for this time〉と歌い上げるパートが印象的で。

かれん：ありがとうございます。この曲、実はめちゃくちゃカロリーが高くて。それこそ、アニメの中でのバンドの掛け合いみたいなエネルギーのぶつけ合いを、私たちもこの曲の中でやっている感覚があるので、立て続けに歌うのはしんどいんですよ。でも、普段とは違った自分を見せられるからみんな気合いが入るし、個人的にはmiyouのパート〈いい子じゃなきゃダメなんだっけ〉の、ちょっと嘲笑っているような歌い方も好きですし、ラストサビでMAYUが歌う〈ありきたりだと笑うのなら〉も先日のテレビ収録のときにめっちゃがなっていて、「いいぞいいぞ、もっとやれ！」と本人にも言っちゃいました（笑）。そういう「荒ぶるリトグリ」を感じてもらえる、ターニングポイントになりそうな1曲だと思います。

──お話を聞いていると、サウンド的なロックというよりも精神性でのロックが強く打ち出された曲なのかもしれませんね。MVも楽曲の世界観と相まった、クールなテイストがカッコよかったです。

結海：初めてお芝居してみました（笑）。私たちが加入してからのMV撮影で、2日間かけることが今回始めてだったので、そこも新鮮でしたし。いろんなアーティストさんのMVを観ていると、ご本人がお芝居として自分自身やほかの誰かを演じていることも多いじゃないですか。いざ自分が初めて挑戦してみると「こういう曲の届け方もあるんだ」という気付きもあって、すごくいい経験になりました。

ミカ：衣装もすごく新鮮で、自分で着るのはもちろんですけど、みんなの姿を見るのも楽しかったですし、現実とは違う世界にいるみたいですごく楽しめました。あと、パフォーマンスシーンではエキストラでガオラーさんに入ってもらったので、そういう撮影も新鮮で楽しかったです。

miyou：私はリトグリに入る前、アルバイトとかいろいろしていたので、あのMVのシチュエーションは当時の気持ちと重なるものがあって。自分が本来やりたいこととは違うことをしながら「なんだろうこれ」と疑問を抱えつつ、でも今を生きていかなきゃいけないしという、あの頃の葛藤を思い出しながら撮影と向き合いました。なので、役の解像度はみんなよりも高かったかもしれません。

カップリング曲「Pop like A Star」、英詞曲の難しさと楽しさ

──カップリング曲についても、お話を聞かせてください。「ひかめくとき」はジャジーな雰囲気のあるミディアムナンバーで、「夢じゃないならなんなのさ」とはまた違った作風です。

MAYU：最初に聴いたときは、展開の読めない曲だなと思いました。でも、すごく耳に残るメロディで、私的には「Gravity」（アルバム『Ambitious』収録曲）っぽい感じの要素もあるなと思いました。ちょっと例えが合っているかわからないですけど、この曲を聴きながらロックでお酒を飲みたいなというか（笑）。

──大人っぽくてオシャレさがある？

MAYU：そう。あと、日差しが差し込むような瞬間が情景として浮かんできます。ほのかに温かくて、涼しさもある中で聴きたいというか。

──穏やかで平坦さが続く中で、微妙なニュアンスを付けながら波を作っていく曲なのかなと。

結海：そうですね。リトグリの場合6人いるからこそ、歌う人が次々と変わることで変化を付けやすいのかな。例えば、Aメロとサビとでは全然雰囲気が違うけど、歌う人が変わることによって雰囲気もよりわかりやすく変えられたんじゃないかなと思います。

アサヒ：この曲を作ってくださった柳川崇さんが「ただ暗いだけじゃなくて、前を向いてどんどん進む感じ」というお話をしてくださったので、私は静かな暗闇の中の光を意識して歌っています。

──1曲目と2曲目の緩急の大きさだけでもかなりインパクトが強いですが、さらに3曲目「Pop like A Star」は英詞のポップチューンという、また異なるタイプの1曲です。

かれん：今回はいろいろな候補曲があった中で、メンバー自身が聴いていいと思ったものを投票して、投票数の多かったものが選ばれているんです。皆さんが思うリトグリって歌い上げるイメージが強いと思うんですけど、私はこの「Pop like A Star」みたいに引き算した歌い方の曲が好きなんです。それに、この6人になってから初めての英詞曲で、しかも作曲を手がけたKenさん（Ken for 2SOUL Music）自身ネイティブな方なので、発音に関してはめちゃくちゃ厳しくて。全然見逃してくれないんですよ（笑）。

アサヒ：苦戦したね（笑）。

MAYU：私とアサヒは特にね（笑）。この曲、デモを聴いた時点で「リトグリっぽい」と思ったんですよ。このポップでちょっとキュートな感じが、私たちの10代だった頃のリトグリのイメージと重なって。今とは違う、若さ弾けるキラキラ感を思い出して、なんだか懐かしくなって「英詞は難しいけど、これは歌ってみたいな」と思ったんです。

かれん：Kenさんは私たちのデビュー曲「放課後ハイファイブ」も作曲してくださっているので、それもあるのかな。

MAYU：うん、それもあるよね。で、実際に歌ってみたら今の6人の声にもすごく合っていたんですよ。

miyou：そうだね。全員英語で歌うことってなかなかないので、レコーディングも楽しかったです。曲調も明るいので、歌っていて気持ちもアガりますし。

ミカ：海外のスクールドラマで流れてそうな曲調ですよね。学生がみんなで歌って踊っている姿が想像できるというか。なので、ぜひそういうドラマで使っていただきたいなと思います。

miyou：それも言霊やもんな。

──『Ambitious』を聴いたとき、リトグリとしての表現がどんどん成熟しているなと感じていたんですが、今回のシングルに収録された3曲もその延長線上にある作風で。「Pop like A Star」のように初期をイメージさせる楽曲でも、歌い方や味付けは確実に大人になっていることが伝わってくる。あと、若い頃はできることをたくさん詰め込もうとするけど、今は適材適所といいますか、必要な場所で求められる技を披露するような、無駄をそぎ落としている感も強まっています。

MAYU：洗練されてきたってことですよね。嬉しいです。

「夢じゃないならなんなのさ」をフェスで映えるものにしていく

──どれも早くライブで聴いてみたいなと思いましたが、この取材時点（5月上旬）では4月から始まった全国ツアーも3本終えたところ。

ミカ：もっとやってる気がしてた（笑）。

かれん：確かに（笑）。10周年の要素も感じていただけるようなセットリストにしてるので、昔から応援してくださっている人は「昔のリトグリちゃんも今のリトグリちゃんも感じられた」と言ってくださいますし、最近私たちを知った方には新鮮に映っているようですし、いろんな感じ方ができるライブになっていると思います。

アサヒ：アルバム『Ambitious』の要素も10周年の要素も詰め込みまくっているけど、重すぎないというか。ちゃんと展開が見やすいようになっているはずなので、各地の皆さんと交流しながら、1本1本いいライブを作っていきたいです。

結海：この6人の曲もだいぶ増えてきて、幅広い曲調を届けられるようになってきたことが嬉しくて。今回は特に「ネタバレ禁止です！」と事前に打ち出しているので、みんな感想をつぶやきたいけどまだ来てない人のためを思って内緒にしてくれていて、「なんて温かいファンなんだろう、私たちは恵まれているな」と実感しているところです。

──ツアーは7月21日まで続きますが、その後はフェスなどのイベント出演も控えているのかなと思います。現体制では三度目の夏となりますが、今年はどのように過ごしたいですか？

かれん：せっかく「夢じゃないならなんなのさ」という曲が増えたので、フェスでぶちかましたいですね。

アサヒ：確かに。今まで以上に煽りまくって、「夢じゃないならなんなのさ」が映えるようなステージにしたい（笑）。

miyou：いいねえ（笑）。

MAYU：フェスに来る方ってそれこそさっき言ったように、リトグリに対して優等生なイメージを持っている方が多いと思うので、その印象を「夢じゃないならなんなのさ」とともに壊していきたいです。

結海：「お、新しいロックガールズグループかな？」と思ったらリトグリだったっていう。

MAYU：という感想をSNSにたくさん投稿してもらうのが、今年の夏の目標です（笑）。

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Little Glee Monster「夢じゃないならなんなのさ」配信ジャケット — 「夢じゃないならなんなのさ」

■リリース情報
New Single『夢じゃないならなんなのさ』
発売日：2025年5月28日（水）

【初回生産限定盤（CD+BD）】SRCL-13320〜13321　￥3,400（税込）
【通常盤（CD only）】SRCL-13322　￥1,430（税込）
【期間生産限定盤（CD+BD）】SRCL-13323〜13324　￥1,870（税込）

CD購入リンク：https://LittleGleeMonster.lnk.to/YumejanainaraNannanosa_SG

＜収録内容＞
・DISC-1【CD】
01. 夢じゃないならなんなのさ
（TVアニメ『ロックは淑女の嗜みでして』エンディングテーマ）
ほか新曲収録
夢じゃないならなんなのさ - Lead Off ver. - ※初回生産限定盤/通常盤のみ収録
夢じゃないならなんなのさ - TV Size - ※期間生産限定盤のみ収録

・DISC-2【Blu-ray】　※初回生産限定盤
SPACE SHOWER TV × J:COM Little Glee Monster Precious Live - 2024.09.23
DIVA
I Promise you
青春フォトグラフ
好きだ。
だから、ひとりじゃない feat.千葉県立幕張総合高等学校ダンス部DOHOPS
世界はあなたに笑いかけている feat.千葉県立幕張総合高等学校ダンス部DOHOPS
ECHO

・DISC-2【Blu-ray】　※期間生産限定盤
TVアニメ『ロックは淑女の嗜みでして』ノンクレジットエンディングムービー

■タイアップ情報
アニメ『ロックは淑女の嗜みでして』
《公式サイト》https://rocklady.rocks
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《公式TikTok》@rockrady.info