堂本剛と堂本光一に境界線はいらない 年末年始を駆け抜けたKinKi Kidsが示す新しいあり方
KinKi Kidsの堂本剛が、レギュラーラジオ『KinKi Kids どんなもんヤ!』(文化放送)1月31日放送回に登場。音楽番組への出演、ドームライブ、そしてベストアルバムのリリース決定&ファン投票の実施……と、KinKi Kidsとしての活動が目白押しだった年末年始を振り返った。
1月31日の23時59分までとオンエアのタイミングでファン投票の締め切りがやってくることを受けて「ちょうど投票が終了した直後というような感じでしょうか。みなさん投票していただけましたでしょうか?」と切り出すと、「数ある曲の中から3曲のみというなかなかね、難しいリクエストだったと思いますが、自分もみなさんご存知の通り、キンキの曲をすべて把握している僕ですから。そのなかで言うと、非常にね、選ぶのに必死でしたよね」とシレッと言ってのける。
そんな言葉に思わずツッコミを入れたくなったファンは少なくなかったはず。なぜならKinKi Kidsのライブでは、「覚えてない曲やってみよう!」と題して、2人が覚えていないであろう曲をリハーサルなしで歌ってみるというアグレッシブなコーナーがあるくらいなのだから。11月15日放送回では、そんなコーナーについて堂本光一とともに「いろんな人が喜んでくれるコーナーになっちゃったね」と苦笑いする一幕があった。
KinKi Kidsとしてはもはや自分たちの持ち歌が何曲あるのか把握できていないという。そのうえレコーディング以来、ライブでも歌番組でも歌わないという楽曲も多数。さらに、そのレコーディングも忙しい合間をぬって「パッと歌ってお疲れ様でした、ありがとうございましたって言って帰っちゃってるから」というから、それは覚えていないのも無理はない。しかし、それでも覚えているというのがアイドルのあるべき姿と言われそうなところを、あえて「自分たちの曲やから歌えろよっていう話ですからね」と自らタブーを破ってネタにしてしまうのもKinKi Kidsらしいところ。
「究極は“抜く”こと」とは、堂本光一が後輩・timeleszの新メンバー募集オーディション『timelesz project -AUDITION-』(Netflix)に登場した際に発していた言葉だが、まさにKinKi Kidsの力まないエンターテインメントに通じているように思った。まだ構想中だったドームコンサートについても「これぞ2人みたいなものを感じてもらいたい」と2人で真面目なトーンで話していたかと思えば、「この2人の立ち姿、姿勢、ビジュアル、シルエット……立ち姿、ビジュアル……ビジュアル」と何度も繰り返してボケる堂本剛。そこに、堂本光一が「ビジュアル言うとって、出てきたらあのイラストやったらホンマ……」とさらにボケを被せていくと、「それはいいアイデアでしたね、今」と止まらなくなるのが、まさに「これぞ2人」だ。
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ちなみに「あのイラスト」とは、おそらくKinKi Kidsのアーティスト写真で使われている2人の似顔絵イラストのこと。おそらく権利の都合で写真が使えず、堂本光一が描いたと言われている。ともすれば少々デリケートな話になりそうなところだが、そこは「オープニング、すごい派手な音鳴って、上からあのペラペラの紙がね、できたらよかったですね」なんて笑い合えてしまうのも微笑ましい限り。また、そのイラストの靴が堂本光一=赤、堂本剛=青とメンバーカラーに塗られているバージョンがあるのは、堂本剛の提案によるものであり、さらに原作者(堂本光一)に無断で話が進んでいたというところも、相変わらず2人の関係性がフラットであることをうかがい知れた瞬間だった。