timelesz、改名後初リリースEPが1位獲得 新機軸とグループらしさを両立した決意のセルフタイトル
特に、冒頭を飾る「Anthem」は、イントロからしてスクリューされたボーカルと勇壮なブラスが出迎え、メインパートに入ると金属的なスネアやヘヴィなベースラインが印象的なトラップチューン。本曲をプロデュースした山下智久による、待ち受ける困難を承知で、なお貪欲に歩みを進めようとする歌詞もアグレッシブで、新たなスタートを切った決意表明のようにも思える。この曲が作品の顔とも言える1曲目に置かれているのがとりわけインパクトを残す。
続く「dilemma」は、80’sマナーのアップテンポなシンセポップ(このスタイル、もはやThe Weeknd「Blinding Lights」なんかを引き合いに出すのもあまりに野暮なほど、定番になって久しいですね……)で、来たるべき夏の風景を切なく歌い上げる。3曲目「Selfish Love」は、けだるさとメリハリのきいたビートのバランスが心地よく、歌とラップのあいだをたゆたうようなメロウなボーカルも良い。「dilemma」とは対照的ないかにもな夏ソング「VIVID SUMMER DAYS」は、爽快なメロディと華やかな展開が楽しい。このあたりは聴きやすくポップなゾーンだろう。
以上が本作の新曲。「本音と建前 full ver. 」、「人生遊戯」、「puzzle」はSexy Zone名義でリリースしたシングルだ。バックトラックの演奏からきつめのオートチューンまで、椎名林檎提供曲らしい“過剰さ”に満ちた「本音と建前」に、イントロから手数の多いベースがこれでもかとファンキーに炸裂する「人生遊戯」の2曲も、スムースな聴き心地よりも攻めの姿勢が現れている。ラストの「puzzle」は、はずむようなシャッフルのビートと歯切れよいブラスが幸福感を醸し出すピースフルな楽曲で、EPの締めに持ってくるにふさわしい。
短いながら、新機軸と持ち前のグループらしさのバランスをとりつつ、現在進行形の3人の姿をいきいきと感じさせてくれる作品だ。というかむしろ、そんな印象はEPならではのタイトさのおかげかもしれない。
※1:https://realsound.jp/2020/02/post-504464.html
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