Sexy Zone、改名&中島健人卒業前夜を振り返る 5人全員で“Sexy Zone”を卒業しなければならなかった理由

Sexy Zoneとしてのラストライブレポ

 「『5人が“Sexy Zone”っていうグループからの卒業なんじゃないかな』と、僕ら5人で口を揃えて言っていて」――菊池風磨は、Sexy Zoneとしてのラストライブの終盤にそう口にしていた。

 昨年行われた3大ドームツアーのセミファイナル、東京ドームのステージでも彼は「僕たちとみんなを繋いでいるのが“Sexy Zone”という名前だとするなら、僕は本当に今誇りを持ってここに立つことができています」と言っていた。マリウス葉を含めた、佐藤勝利、中島健人、菊池風磨、松島聡の5人によるSexy Zoneとして、愛を持ってSexy Zoneというグループと交わったすべての人へ感謝を伝え、それそれが進むための扉のようなもの――旅立ちとスタートを見守った今、あらためてそうだったのだと思う。

 Sexy Zoneとしてのラストライブは3月31日20時にスタート。シルバーのラメスーツを着た4人が最初に歌うのは、デビュー曲である「Sexy Zone」。彼らが着ているセットアップは、マリウスのラストステージで着ていたのと同じ衣装だ。2度目の、そして最後の卒業式だ。続く「RUN」、中島のソロから歌は始まる。〈夜明けの風に吹かれて どこまでも走り抜けた〉、そう一節歌ったその背中がひらりと返り、対称の位置にいた菊池の背中と重ね合わさり、〈確かなものなんてないけど〉という歌詞をふたりで歌う。Sexy Zoneという名のもとで、対称のポジションに位置してきた彼らがこうやって背中を合わせるのも最後の時間だ。「ぎゅっと」では、メンバー同士で笑わせ合いながら、歌い繋いでいく(中島はカメラの外で菊池に変顔を見せられたらしく「マジでやめろよ!」と笑い、松島は自分の出した声に自ら吹き出していた)。どんどん力の抜けた笑顔になっていく。

 MCパートでは、12年間の思い出を写真や映像で振り返っていく。ステージのバックモニターには、Sexy Zoneの歴代のアーティスト写真や集合写真が並べられ、それだけでも感慨深いものがあった。若きメンバーがドバイへ行った時の写真、水着を身につけた軽装で海外のスーパーへ行った時の写真、「合成感がすごい」と満場一致の感想が飛んだハワイでの集合写真……口々に「覚えてる?」「これ、いつだっけ?」と話すなか、佐藤が「5人の思い出たくさんあるね」と言う。実感が少しずつリアルになっていくようだった。

 “異国の地で生配信を観てくれているお友達”として、マリウスもオンラインを通してリモート出演。「こっちまで緊張してた」という彼が「後ろのdiscographyも懐かしい」とさすがの発音を披露すると、中島がすかさず「こっち日本だから頼むよ」とツッコみ、そこからわいわいと和んでいく空気感。最年少の弟を4人の兄たちが包む。この5角形の関係性がすごくあたたかかった。

 最新曲「puzzle」のパフォーマンスになると、モニターに表れたのはパズルのピースが入った箱のグラフィック。そこには「4519」という数字が刻まれている。2011年11月16日、彼らのデビュー日から2024年3月31日までの日数だった。その数字を背負って歌われる最新曲が優しいメロディで紡がれ、それが成長した彼らにしか展開できないボーカルワークで織りなされていることが、すごく嬉しい。そこから、「With you」を皮切りに、「バィバィDuバィ~See you again~」、「夏のハイドレンジア」、「本音と建前」、「Sexy Summerに雪が降る」までメドレーで披露すると、再び「With you」に舞い戻り、「“Sexy Zone”という名前を叫ぶのこれが最後だ」と中島が叫ぶ。「With you」は、〈臆病だった僕が こんなにも強くなる/僕が必ず 君を守るよ〉という歌詞で結ばれる曲だ。改名することが、“Sexy Zone”という名前を守り抜くことになる。決断の理由がそこにも見えた気がした。

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