Sexy Zone、『POP×STEP!?』が初登場1位に “東京から発信するポップソング”の意匠を読む

参考:2020年2月17日付週間アルバムランキング(2020年2月3日~2020年2月9日)

 2020年2月17日付のオリコン週間アルバムランキングで首位を飾ったのはSexy Zone『POP×STEP!?』で、推定売上131,035枚。2位はリパッケージ版のリリースで改めて順位を高めたTWICE『&TWICE』(26,719枚)だ。ほか、初登場としては4位キム・ヒョンジュン『月と太陽と君の歌』、6位BiS『LOOKiE』、7位大原櫻子『Passion』、8位東京ゲゲゲイ『キテレツメンタルワールド』、9位Green Day『Father Of All...』が並ぶ。

 2019年10月リリースのOfficial髭男dism『Traveler』のロングセラーっぷりには驚かされる。いったんトップ10圏外に移りつつ(それでも20位以内には入っていた)、年末年始、紅白出場やシングルリリースが重なったタイミングでトップ10に再浮上。年が明けてから8週に渡って安定した順位についている。現在4週目のKing Gnu『CEREMONY』は3位だが、今後どのように推移するか注目したい。

 さて、今回取り上げたいのはSexy Zoneだ。「様々なポップソングを『Sexy Zone』というフィルターを通して東京から発信する!」(参考:Sexy Zone Official Site)というコンセプトを掲げた本作には、ジャニーズ関係の作品を多く手掛ける作り手のほか、Kai Takahashi(LUCKY TAPES)や竹内サティフォ(ONIGAWARA)、tofubeatsなどが参加。加えて通常盤DISC2に収録された菊池風磨のソロ曲にはchelmicoと三毛猫ホームレスが参加している。ポップスのさまざまな側面をプレゼンするバラエティに富んだ楽曲群のみならず、参加ミュージシャンの若々しさにも注目が集まった。

 全体のサウンドはいい意味でJ-POPらしく整えられたものが並ぶ。具体的に言えば、音数が多く、分離や空間の広さを強調するよりもスムースに各パートが掛け合い、溶け合うようなサウンドだ。オープニングを飾るリード曲「極東DANCE」のように、アグレッシブなシンセサウンドが使われていてもどぎつくならないなめらかさがある(それも場合によっては良し悪しなのだが、欧米のメインストリームなポップスをガンガン聴いていたり、あるいはK-POPに慣れている人にはやはり、物足りなく感じられるだろう)。また、歌メロをよってたかって支えるストリングスやギターなどのフレーズも「J-POPらしさ」の重要な要素だが、くどくなりすぎないバランスで仕上げられている。

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