20th Century、NiziU、LE SSERAFIM、緑黄色社会、MY FIRST STORY、Kvi Baba……注目新譜6作をレビュー
緑黄色社会「花になって - Be a flower」
今年12月から来年1月にかけて初のアリーナツアー『リョクシャ化計画2023-2024』を控えている緑黄色社会から、ニューシングル曲「花になって-Be a flower」が到着。作詞を長屋晴子(Vo/Gt)、作曲を穴見真吾(Ba)が担当したこの曲は、話題のTVアニメ『薬屋のひとりごと』(日本テレビ系)オープニングテーマとして制作された。空間を切り裂くようなギターフレーズで幕を開け、エフェクティブなベースの音像、鋭く突き進むビート、80’sニューウェイブを想起させるシンセなどを融合させたバンドサウンドが出現する。スリリングな旋律を響かせながら長屋は、“日陰に咲く花”をコンセプトにした歌詞を描いてみせる。美しい毒と華やかな香りが共存する楽曲のイメージは、緑黄色社会の新機軸と言っていいだろう。(森)
MY FIRST STORY「蜃気楼」
12カ月連続リリースとなるデジタルシングル第10弾。歪んだリフとスラップベースが全体に駆け回っている様子は、いかにも暴れるのが得意なヘヴィロックバンドの音像だが、歌が入ってくるとアレンジはダンスミュージック寄りのアプローチに。軽くエフェクト処理をかけたボーカルと、オクターブ違いで主旋律を補強するコーラスが、ライブハウス特有の汗臭さを打ち消し、どこか二次元的な魅力をプラス。ボカロ好きや歌い手好きにも響く仕上がりになっている。〈嫌になっちゃうぜ/人生なんて下らない〉と毒を吐きつつ、Hiro(Vo)は〈周りが全て腐ったミカンだね〉と昭和ドラマのセリフを引用。これ知ってるんですか? とびっくりした。(石井)
Kvi Baba「Luv Myself feat. AKLO & KEIJU」
1999年生まれ、大阪出身のラッパー・シンガーソングライター、Kvi Baba。リアルな人生観を詩的に映し出すリリック、しなやかで奥深いボーカル/ラップの表現によって注目を集め、メジャー1stアルバム『Jesus Loves You』でも高い評価を得た彼の新曲「Luv Myself feat. AKLO & KEIJU」は、タイトル通り、“自分を愛すること”をテーマに掲げた楽曲だ。硬めのビートをしなやかに乗りこなしながら放たれるフロウも気持ちいいが、注目すべきはやはり歌詞の内容。バッドラックが続く日々であっても希望の光を探そうとする姿勢、〈もうしない無いものねだり産む空虚〉に象徴されるネガをポジに反転させるようなフレーズは、現代を生きるすべての人に刺さるはず。代表曲「Too Bad Day But... (Remix) feat. AKLO & KEIJU」(2021年10月)以来の共演となる、AKLO、KEIJUとのシナジーも美しい。(森)
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