NiziUの韓国デビューに勝機はあるか? 日本からはXGや『日プ3』発グループも……群雄割拠の市場で求められるスタイル

 10月30日、ファン待望の韓国デビューを果たすNiziU。2020年に“縄跳びダンス”で日本のお茶の間を虜にした彼女たちが、ついに世界進出の一歩を踏み出すことになった。デビュー当時はどちらかと言えば可愛らしいイメージだったNiziUだが、いまでは妖艶な表情も見せるように。「Make you happy」でのプレデビューから3年の月日が流れたこのタイミングだからこそ、個人的には韓国進出の勝機は十分にあると思う。

 日本のアイドルは、未完成だからこそ愛されると言われる。歌が苦手でも、ダンスが上手く踊れなくても、完全体になるために努力する姿に惹かれ、応援するファンが多い。もちろん、高嶺の花のようなアイドルに焦がれる人もいるが、多くの人は原石が宝石へと変化していく“過程”に関心を向けるのだ。ソニーミュージックとJYPエンターテインメントによるグローバルオーディション『Nizi Project』(以下『虹プロ』)を通して、メンバー決定までの過程を視聴者に見せてきたNiziUは、そうした応援形態にぴったりとハマっていたと言えるだろう。

 その一方で、韓国のアイドルは完璧さが求められるとされる。息の合ったパフォーマンスに、洗練されたビジュアル。「本当に、同じ人間……?」と疑いたくなるような“別次元感”に心を奪われるのだ。avexが手掛けるXGが、日本より先に韓国で火がついたのも、彼女たちが圧倒的な世界観を確立していたからこそ。そのほかにも、韓国ではIVEやLE SSERAFIM、NewJeansなどのヨジャ=ガールズグループが大ヒットを飛ばしている。

 飽和状態とも言われる韓国のヨジャグル市場で、NiziUが存在感を発揮するのは容易なことではない。今までのあどけなさを払拭し、完璧さを追い求めるとなると、前述のグループたちと真っ向から戦わなければならなくなる。しかも、あまりに大きなイメージチェンジをしてしまうと、『虹プロ』時代から応援してきたファンが離れてしまう可能性も出てくるだろう。だからといって、日本でのスタイルのまま韓国進出して受け入れられるとも考えづらいので、そのあたりの塩梅がかなり難しい。

 そのバランスを上手く保っているように感じるのが、サバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』(以下『日プ』)出身のグループだ。JO1やINIを生み出した同番組は、韓国で大ヒットした『PRODUCE 101』の日本版。現在放送中のシーズン3は、初のガールズグループが誕生することもあり、大きな話題を集めている。

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