NOA、初のアリーナ公演で力強く示したこれまでの集大成と新章 tofubeatsも登場した特別な一夜
会場が感動に包まれるなか、NOAは先述のオンラインライブでも披露し、自分にとっても思い入れが深い曲だという「Multiverse」を披露。曲を披露したあとには、「やっぱりこの曲はダメだね、泣きそうになった」と自身の心情を吐露。さらにファンに向けて、「みんながいるからこそ、今有明のステージで歌えています」「素晴らしい環境になった今、またこの曲を披露できたことは本当に皆さんのおかげです」と感謝の言葉をつけ加えた。
また、ライブが終盤に差し掛かったタイミングでは、久しぶりのラブソングだという新曲「between」も披露された。近年、海外のポップスターも取り入れているジャンル・2ステップを彷彿とさせる同曲は、アコースティックギターや柔らかい音色のシンセをフィーチャーした楽曲だ。そんな「between」について、NOAは「好きな気持ちとそうじゃない気持ちを行ったり来たりする揺れ動く心情を歌った」と語った。そして、ライブ本編のラストでは、多幸感のあるアップリフティングなダンスナンバー「LIGHTS UP」をパフォーマンス。今までの自身の苦労を振り返りつつ、いつも自分を支えてくれるファン、スタッフ、家族に向けて感謝の言葉を伝え、ここから始まる“新しいチャプター”への抱負を口にした。
しかし、白熱した会場はここでは収まらない。その意思の表れとしてアンコールを求めるNOAコールが会場内に響きわたる。その熱いファンの想いに応えるべく、NOAが再びステージに登場。ステージに用意されたピアノに向かって「TAXI」を披露したかと思ったら、なんとここでサプライズゲストして、同曲でのコラボレーターであるtofubeatsがステージに。予期せぬゲストとのコラボレーションに、会場は大いに盛り上がった。続いて、「Purple Sky」が披露され、ファンのペンライトで再び会場が紫の光に染め上げられると、NOAはファンサービスとしてリクエストタイムを展開。会場からの「Too Young」を求める声に応える形でラストのサビを披露。ここでもう一段ギアを上げたあとは、いよいよこのライブ、そして『"NO.A" TOUR SPECIAL LIVE IN ARIAKE ARENA』を締め括る一曲となる「Highway」をパフォーマンスし、最後まで会場を盛り上げた。
甘いバラードからアグレッシブなダンスナンバーまで惜しげもなく、NOAの持ち味と魅力がアリーナという大規模な会場で示された『"NO.A" TOUR SPECIAL LIVE IN ARIAKE ARENA』。自身のキャリアのなかで、いきなりコロナ禍という苦境に立たされるも、力強いメッセージとプロフェッショナルなパフォーマンスでファンとの絆を深めてきたNOAにとって、今回のライブはまさにその第一章を締め括るにふさわしい感動に溢れるものとなった。また、それだけにファンとしては、ここから新たに始まるNOAの次なるチャプターに期待せずにはいられない。そう強く思わせてくれる素晴らしいステージだった。