NOA、初のアリーナ公演で力強く示したこれまでの集大成と新章 tofubeatsも登場した特別な一夜

NOA、初アリーナ公演で予感した新章

 作曲、作詞、ダンスの振付まで手掛けるトリリンガルアーティストのNOAが、9月9日、10日の2日間にわたって自身初となるアリーナ公演ライブ『"NO.A" TOUR SPECIAL LIVE IN ARIAKE ARENA』を有明アリーナにて行った。

 『"NO.A" TOUR SPECIAL LIVE IN ARIAKE ARENA』は、今年5月にEX THEATER ROPPONGIにて行われたワンマンライブの集大成となるもの。2020年に本格的に音楽活動を開始し、コロナ禍の2021年にオンラインライブ『NOA 1st ONLINE LIVE』でライブデビューしたNOA本人だけでなく、デビュー以来彼を支えてきたファンにとっても待望のリアルワンマンツアーとなった『"NO.A" TOUR』。その最後を飾った9月10日の公演では、ダイナミックかつ気迫のこもったパフォーマンスが繰り広げられた。

NOA(撮影=鳥居洋介)

 NOAの登場を心待ちにするファンで会場が埋め尽くされるなか、当日はNOA本人による「Are You Ready?」の叫び声からライブがスタートした。炎の演出と共にエモーショナルなダンスホールチューン「BURN」が披露されると、そこからはいきなり全力疾走。今年2月にリリースされたデビューアルバム『NO.A』から「Just Feel It」「Runaway Love」「Lonely Hearts」などを立て続けに披露し、会場に集まったファンの心を一気に鷲掴みにした。その後、女性をデートに誘う練習をするという設定の映像演出も行われたが、映像で自身が着用したものと同じ衣装でステージに現れたNOAは、そのまま「Bad At Love」へと続く。

 映像演出と繋がった粋な演出に加え、同曲の音源の最後でも聴こえてくる電話の声も組み込まれたシームレスな演出から「To Be Honest」がパフォーマンスされると、ここで会場のボルテージはさらに上昇することに。ステージに立つNOAから発せられる熱気が観客席までひしひしと伝わってくる。ここでNOAは次に披露する「Paradise」を「次の曲は、ぜひ皆さんと一緒に楽しみたいと思っている曲です」と紹介。さらに、NOAによる曲中のサビの振りが紹介されたことで会場に集まったファンも、ここであらためて“パラダイス”に行く準備が完了。一体感が高まったなかで、披露された同曲は、夕焼けとヤシの木が印象的なステージ背景に浮かぶ映像も相まって、音源で聴く以上のエキゾチックな音像を醸し出していた。

 NOAの口から、ライブがここから後半戦に突入したことがアナウンスされたのち、ステージにはNOAバンドからゲストとして、ギタリストのジョサイアが登場。会場の中央のステージにスポットライトが当たり、それを取り囲むように紫色のペンライトが揺れるなか「Ticket」や「Friends?」、そして久しぶりにパフォーマンスするという「True Colors」の3曲がしっとりとしたアコースティックセットで披露された。

 その後、NOAの「ここからぶち上がっていく準備いきますよ」「盛り上がっていく準備できてますか?」という呼び声のあと、バックステージのダンサーたちをフィーチャーした映像を公開。その映像と繋がる形で多数のダンサーにフォーカスした「Step Back」が、オープニング同様の派手な炎の演出で披露されたことで、再び会場のボルテージは上昇した。さらに、「今年は花火大会にまだ行けてないから、僕と一緒に見に行きませんか?」というNOAの誘い文句から甘い歌声が響くチルな「Fireworks」が、夜空に咲き誇る儚げな花火の映像と共にパフォーマンスされると、会場からは悦に浸り、感動を表す大きな息がこぼれた。

NOA(撮影=鳥居洋介)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる