モーニング娘。OG 佐藤優樹がソロデビュー 二度の転機を経てたどり着いた唯一無二のパフォーマンス
そして、同期の工藤が卒業した後、2018年には再び転機を経験することになる。佐藤が「800kmくらいある」と語ったほど、パフォーマンス面で大きな壁に直面したのだ。佐藤は自身の中で試行錯誤しながら、周囲の意見や助言も聞き、パフォーマンスのあり方を模索。その結果が2019年以降のMVやコンサートでの、それまで以上に彼女の確固たる意思を感じるようなパフォーマンスへとつながっている。
佐藤はその後、さらなる進化を遂げるグループの中心軸として活躍。15期メンバーの北川莉央が佐藤の卒業に際して「もっと一緒にツアーができていたら、いろんなことを学べていたかと思うと残念な気持ちが大きい」と語ったほど(※4)、大きな存在感を持つ先輩メンバーへと成長していった。
しかし、2021年に体調不良を理由に卒業を決定。同年12月13日に行われた日本武道館公演『モーニング娘。'21コンサート Teenage Solution 〜佐藤優樹 卒業スペシャル〜』をもってモーニング娘。’21を卒業した。この公演のラストでは、卒業衣装にしては珍しい、黒をベースにエメラルドグリーンのラインストーンをあしらった衣装を身につけた佐藤が登場。「黒にエメラルドグリーンがちりばめられたこの感じは、今私が見ている、私から見たステージの、みんながいるこの光景と同じなんですよ」と衣装に込めた想いを説明し、「10年間1人でやってきたわけじゃなくて。スタッフさんだったり、メンバーだったり、マネージャーさんだったり、家族だったり。こうやってファンの方たちが、私をすごく受け入れてくれたり。私のことをすごく支えてくれたり。私のことを照らしてくれているから今、まーは輝いてるんですよ」と語った佐藤の姿に、卒業を惜しみつつも「まーちゃんらしい」と思わず笑顔になってしまったファンも多かったのではないだろうか。
卒業後はハロプロOGのファンクラブ『M-line Club』に加入し、YouTubeでのパフォーマンス企画動画やOGコンサートを足がかりに、少しずつソロ活動をスタート。卒業からおよそ1年3カ月が経った今、ようやくファン待望のソロデビューシングルのリリースに至ったのである。
自由で天真爛漫なキャラクターと、ひとたびステージに上がれば途端にカリスマ性を帯びるそのパフォーマンスで、モーニング娘。時代は多くのファンを惹きつけてきた佐藤優樹。その背景にあるのは、彼女のポテンシャルを見込んでグループへと加入させたつんく♂へのリスペクトと表現へのこだわり、そして2016年と2018年の大きな転機であり、周囲の言葉を素直に受け取りながら、それを糧として思考し続け、彼女らしいパフォーマンススタイルを体得してきた道のりだった。
グループ卒業後は、良きライバルだった鞘師の存在を挙げながら「やっさん(鞘師里保のこと)がエースで、その2歩後ろくらいを私が歩き始めるイメージになると勝手に思ってます(笑)」と、インタビューで語っていた佐藤(※4)。ソロアーティストとして大きな一歩を踏み出した先に、これからのどのような姿が見られるのだろうか。
※1:https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/227397
※2:https://ameblo.jp/tsunku-blog/entry-11032993593.html
※3:https://www.oricon.co.jp/special/55595/
※4:『アップトゥボーイ』2022年1月号 Vol.309 インタビュー記事より
モー娘。'21 佐藤優樹ら卒業、Juice=Juice新体制、OCHA NORMA誕生……時代が変わる2021年下半期ハロプロ重大ニュース
年明け直後のこのタイミングで、ハロー!プロジェクトの2021年7月~12月の下半期における重大トピックスを選考し、その半年間に何…
モーニング娘。'21、佐藤優樹は誰もが認める“刺激的な存在”だった 2年ぶり単独コンサートで見送った卒業
モーニング娘。'21が、グループにとって約2年ぶりの単独コンサートとなる『モーニング娘。'21 コンサート Teenage So…