菅田将暉、1曲1曲大切に歌い上げた初の武道館ライブ 生活や内面を鮮やかに彩る高揚感抜群のステージに

菅田将暉、初の武道館ライブレポ

 菅田のアコースティックギターから鳴ったコードにファンが歓声を上げたのは「さよならエレジー」。エレキに持ち替えた菅田がギターソロを披露し、sooogood!と川口圭太(Gt)も菅田の周りに集まり、トリプルギターによるやんちゃなサウンドを響かせたのは「いいんだよ、きっと」。ここで新曲「美しい生き物」が初披露された。〈スターになって〉と天へ伸びていくラストのロングトーンが印象的な曲だった。菅田はこの曲について、2022年1月期のドラマ『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系)で演じた久能整の台詞「(人は)弱くても当たり前だと誰もが思えたらいい」を引用しながら「そんな曲かなと思います」と語っていた。この曲の時にだけ弾いていたエレキギターについてMCで言及することはなかったが、きっと彼なりの想いが込められていたことだろう。

 「クワイエットジャーニー」で本編を終えてからのアンコールは、アディショナルのパーティータイムといった感じで、ゲストのCreepy Nutsとともに「日曜日よりの使者」(↑THE HIGH-LOWS↓のカバー)、「サントラ」を歌った。ラジオをきっかけに交流を深めた3人のパフォーマンスが場内に幸福感をもたらす。特に、リリースから2年7カ月以上を経て、ライブ初披露が叶ったパンクチューン「サントラ」では3人の熱い気持ちが前面に出ている。

 そして「一番最初に作った曲で締めたいなと思います」と、ラストに選んだのは「ゆらゆら」。日常を感じさせる歌詞表現と行間のある言葉選びが菅田らしい楽曲で「ラララ」の大合唱を起こし、初の武道館公演を締め括った。「つもる話」演奏後には「今度アコースティックライブやろう!」とバンドメンバーに提案するなど、ライブの最中でも次にやりたいことがどんどん溢れ出しているようだったが、今の自分の気分にフィットするものを手に取りながら、今後も彼は素直な気持ちで音楽活動に臨むのだろう。その純な表現にまた触れられる機会が早くも楽しみだ。

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