THE RAMPAGE、原点回帰で強まった決意と絆 遊び心から真摯なメッセージまで、全てが“16人のニューフェーズ”に
「NO GRAVITY」は“スマートな爆発”
――また、本ツアーでは、アルバム『ROUND & ROUND』に収録されている既発曲も多数披露されました。武知さん、印象的な楽曲を挙げていただけますか?
武知:僕は「STRAIGHT UP」が好きですね。通常の公演では、6曲目に「Can't Say Goodbye」っていうバラード寄りの楽曲をやっていたんですけど、最後の有明アリーナ公演では、その枠がヒップホップ色の強い「STRAIGHT UP」に差し替わっていて。ラテン調の「Fandango」で盛り上げてから「STRAIGHT UP」に突入した時のバシッとハマってる感じが、やっていて最高に気持ち良かったです。曲とパフォーマンスが完全に一致してるのが実感できましたし、踊りながら「This is THE RAMPAGE!」と思えて。お客さんのことを気にする間もなく、自分たちの色を全力で出し切ることができた1曲だったなと思います。
陣:「STRAIGHT UP」のパフォーマンスは、ライブに来てくださった方にも好評だったみたいですね……まぁライブ映像が収録された会場は大阪城ホールなので、その様子は入ってないんですけど(笑)。
武知:えっ!?(資料を見直して)うわ、ホントだ……(笑)。バチっと決まったパフォーマンスを想像しながら、音源を楽しんでください。
――そして、その最終公演で初披露されたのが、リード曲「NO GRAVITY」(作詞:ZERO (YVES&ADAMS)/作曲:SLAY HIROKI、ZERO (YVES&ADAMS))です。RIKUさんは、デモを受け取った時にどんなことを感じましたか?
RIKU:僕たちの楽曲にはビートの速い曲がたくさんあるんですけど、その中でも「NO GRAVITY」は、今までやってそうで触れてこなかったテイストなので、THE RAMPAGEとして新しいカッコ良さの価値観を提示するのに、すごくピッタリな曲だなと思いましたね。音サビがあったり、3ボーカルだからこそアプローチできる構成になっているので、音楽的にも勝負できる、ここから仕掛けていける曲だなと確信しました。またこの曲は、徹底的に無駄を削ぎ落としたスマートな白いスタイリングも特徴的で。そこには「日本のアーティストとして、アジアだけでなく、世界に対してしっかりと提示していきたい」というグループの意気込みが込められているので、ボーカルとしても、その想いを背負ってレコーディングに臨みました。
――RIKUさんのレコーディングは、いつも納得いくまで録り直している印象がありますが、今回も相当粘ったんですか?
RIKU:そうですね。この曲を聴いた時に、みんながアガってくれないと意味がないなと思っていたので、たとえディレクターさんがOKを出してくれても、自分的に納得いかなければ納得いくまで歌おうと。時間が許す限り、妥協せずに歌いました。特にラストサビは時間をかけましたね。ラストにかけてスマートに爆発していくような流れを聴覚的に作りたかったので、そのアプローチの違いが聴きどころですね。
――“スマートに爆発”という言葉が、「NO GRAVITY」の世界観をわかりやすく伝えていますね。
RIKU:日本刀のように鋭く、だけど力強くて、スパッと切り落とす圧力がある――そんなイメージで歌ったところ、振付ともすごくマッチして。自信を持ってお届けできる1曲が完成したなと感じています。
――この曲の振付を担当したのはどなたですか?
山本:まこっちゃん(長谷川慎)と(鈴木)昂秀です。「NO GRAVITY」は曲に合った質素で無機質な振付が特徴で、身体全体を動かすというよりは、一部分だけを動かす振りが多いですね。メンバー16人で踊った時に揃いやすい振付を作ってくれました。でも、サビではしっかりとスピード感がありつつ、ステップを入れたりして、THE RAMPAGEとLDHのエンタテインメントのイメージを崩さないように。新しさと伝統を組み合わせた、ハイブリッドなパフォーマンスになっていると思います。
――フォーメーションが「NO GRAVITY」の「N」になっていますが、そこにはどんな狙いがありますか?
山本:最近はMVの撮影と同時にダンスプラクティスビデオを撮ることが多くて、2023年は特に力を入れていこうと思っているんですが、そういうところでもお客さんに楽しんでもらえるようなフォーメーションにしたかったんです。
陣:振付にしても構成にしても、受け入れられやすいものって、時代と共にちょっとずつ変わっていってると思うんですよね。今までは「THE RAMPAGEといえば、これやろ」っていうものが自分たちの中に明確にあったんですけど、それだけでなく、いろいろなことに挑戦して今この瞬間に必要とされているものを探していく必要があるなと、ここ1~2年で感じていたんです。それが「NO GRAVITY」でようやく形になったので、すごく手応えもありますし、取材を受けている今の段階では、まだ1回しかお客さんの前でパフォーマンスしていないので、早くたくさんの方にお届けしたいですね。
――昨年末に『RAY OF LIGHT』ツアーの最終公演で「NO GRAVITY」を初披露した時は、どんなことを感じましたか?
与那嶺:いつもTHE RAMPAGEを応援してくださっている皆さんからすると、あまり聴き馴染みのない爽やかな曲と、観たことのないフォーメーションだったと思うんですよね。僕らもパフォーマンスしていて新鮮でしたけど、きっと観てくださった皆さんも同じ気持ちだったんじゃないかなと思います。あと、初披露の直前に「この後、新曲を初披露します」ってモニターに映し出された時は、コロナ禍になってから感じたことのないリアクションをもらえて、久々に以前のライブの感覚が戻ってきました。配信でライブをご覧になっていた方からも「“N”のフォーメーションがよかった」といったコメントが届いて、すごく嬉しかったです。
――初披露の瞬間は、オープニングさながらの緊張感が漂っていましたよね。いつも明るい与那嶺さんも初披露は緊張するんですか?
与那嶺:緊張しましたね(笑)。「ちゃんと上手くできるかなぁ」って、舞台裏でソワソワしてました。でも、いざステージに出て、皆さんの姿を見ていたら「これはいける!」っていう確信に変わって、堂々とパフォーマンスできました。
――曲の冒頭、川村(壱馬)さんが先陣を切って歌い始めて、RIKUさんの歌と共にダンスが入って……と徐々に動き始める展開が、“ネクストフェーズの幕開け”を感じさせていましたね。観ていてワクワクしました。
与那嶺:そう思ってもらえてよかったです。なおかつ、徐々に視野が広がっていく感じもあって。そうやって、この楽曲も多くの方に届くといいなと思います。