THE RAMPAGE 陣&川村壱馬&山本彰吾、5周年で確立された16人ならではの輝き方 Jr.EXILEで挑戦したいことも明かす
今年1月にデビュー5周年を迎えた16人組ダンス&ボーカルグループ、THE RAMPAGE from EXILE TRIBE。GENERATIONS、THE RAMPAGE、FANTASTICS、BALLISTIK BOYZの4組から成る通称“Jr.EXILE”の一員としても活躍する彼らは、今や多くのメンバーが映画『HiGH&LOW THE WORST X』のメインキャストに抜擢されるほど、勢いのある存在だ。そんなTHE RAMPAGEを代表して、ボーカルの川村壱馬、パフォーマーの陣、山本彰吾のインタビューが実現。さまざまな切り口で4グループの魅力を紹介してきた『Jr.EXILE特集 ~活躍広げる4組の現在地~』の締め括りとして、THE RAMPAGEの現在地から個人の夢、Jr.EXILEとして実現したいことに至るまで、思う存分語ってもらった。(斉藤碧)
「プロ意識が高まって積極的に意見を出すようになった」(川村)
ーーまずは、今年デビュー5周年を迎えたTHE RAMPAGEがどんなふうに進化してきたのかというお話から伺いたいと思います。経歴も年齢も異なる16人が1つのグループとして活動するのは大変なことだと思いますが、グループの足並みが揃ってきたと感じたのはいつ頃ですか?
陣:初の単独ホールツアー『THE RAMPAGE LIVE TOUR 2017-2018 “GO ON THE RAMPAGE”』ですね。それまでは先輩方のバックダンサーとか、武者修行という無料で来てもらえるライブに出演していたんですが、初めて自分たちだけで47都道府県・58公演を完走したことで、本当の意味でアーティストとしての責任感やプロ意識が芽生えました。「こういう言動はTHE RAMPAGEのメンバーはせぇへんやろな」「LDHのアーティストはこんなことせぇへんやろな」っていう部分を削っていった結果、プロのアーティスト・THE RAMPAGEとしての指針ができ上がりました。わざわざメンバー会議をしてまで「こういうことはしないように」とかは言わなかったと思うんですけど、全員がそう感じていたからこそ、そのあたりから徐々にまとまっていったのかなと思います。
川村壱馬(以下、川村):プロ意識が高まったことで、全員が積極的に意見を出すようにもなりましたね。この3人はデビュー前からわりとガンガン発言するタイプだったんですけど、初めの頃、年下のメンバーは発言しづらそうにしていることもあったんですよ。でも、週1~2のペースでメンバー会議をやっていく中で、陣さんがたびたび「みんな、意見とかちゃんと言うたほうがええで!」と言ってくれていて。そのおかげでグループが良い方向に変わってきたので、陣さんの功績も大きいと思います。
陣:ありがとうございます(笑)。
ーーでは、そんな陣さんから見て、デビュー当時から特に変わったと思うメンバーは?
陣:すごく難しい質問なんですけど……壱馬かな。もともと自分の考えをしっかり持っていたんですけど、自分の考えを上手く発信できるようになりましたね。結成当初はもっと不器用やったと思うんですよ。考えていることを上手く言葉に変換できなくて、トゲのある言い方になってしまうこともあったし。でも今では、インタビューでもわかりやすく丁寧に発言できるようになったし、ボーカルというグループの中心なので、すごく頼もしいなと思いますね。壱馬のそういう変化は、他のメンバーにも良い影響を与えているんじゃないかなと思います。
ーー壱馬さんは何か変わるきっかけがあったんですか?
川村:個人的にすごく印象に残ってるのは、ヤマショーさん(山本彰吾)とのやりとりですね。まだデビュー前、THE RAMPAGEの候補生として武者修行をしていた頃に、ヤマショーさんが「壱馬の言い方だと伝わりづらいから、伝え方をもう少し考えたほうがいいよ」って優しく言ってくれて。ヤマショーさん、覚えてますか?
山本彰吾(以下、山本): EXPG STUDIOでみんなでリハーサルをやってる時に、なんか上手くいかないことがあって、壱馬が1人でスタジオを飛び出していったことがあったんですよ。その後を追いかけて、EXPGのトイレで2人でめっちゃ話したのを覚えてますね。不思議と僕は、昔から壱馬が言いたいことがわかっちゃうタイプで、「今こう感じているんだろうな」っていうのがシンプルに伝わったんです。でも、それがみんなに伝わらないから僕も悔しくて。アドバイスしたというほどではないんですけど、壱馬がどうしたいのかを聞いて、どうやったらみんなに伝わるだろうかって一緒に考えました。
川村:それでも僕はいまだにトゲのあることを言っちゃう時があるんですけど。そういう時は、ヤマショーさんや陣さん、LIKIYAさんといった年上メンバーの存在が冷静にさせてくれますし、みんなでフォローし合いながらここまで来たなって思いますね。
ーーメンバーの気持ちが変化する一方で、グループの音楽性も、2年目(2018年)あたりからどんどん広がってきたと思います。その変化についてはどう受け止めていますか?
陣:今は僕らにも後輩がたくさんいますけど、初めに自分たちのコンセプトを明確に打ち出したほうが、他のグループとの違いを出せるっていうのがLDHのスタイルで。僕らもワイルドなヒップホップを全面に打ち出してデビューしましたし、今でもグループのカラーは変わらず大事にしています。ただ、活動を重ねていくと、楽曲が増えてライブの流れが変わってきたり、「今THE RAMPAGEを一番輝かせるのはどういう楽曲か?」ということが見えてくるので。自分たちのカラーを活かした上で「今の僕らはこんな一面も見せられますよ」「こういう表現もできますよ」っていう感覚で、遊びのある楽曲もお届けしています。
ーーその中でも壱馬さんはレコーディングの話をする時、いつも生き生きとされていますよね。本来ボーカルは、音楽性が広がるたびに求められることが増えているはずなのに、インタビューで「苦戦した」という言葉を聞いた記憶がないなと。
川村:たしかに、そうかもしれませんね。ボーカルにとってはレコーディングとライブが一番の練習になると、僕は思っていて。作品づくりは自分の今のレベルと向き合うことになるので、時には苦しさも伴いますけど、毎回新しい発見がありますし、楽しみながらレコーディングしています。「こういう歌が歌いたかったんだよ!」って思う時もあれば、「この曲のおかげで引き出しが増えたな」って思う時もあるし、常に刺激的。そのたびに達成感があって、着実に前進できているなと感じています。
「どう見せていきたいかを考えると、やるべきことが見えてくる」(山本)
ーーさらに16人それぞれがボーカルやパフォーマーという枠にとらわれない才能を発揮していることも、THE RAMPAGEの強みですよね。舞台監督的な立場にいるヤマショーさんはライブの構成を考えるにあたって、どんなことを意識しているのでしょうか?
山本:僕らのライブってメンバー自ら作っているから、やりたいことをやれるのが良いところだと思うんですよね。例えば(グループ内ユニットの)MA55IVE THE RAMPAGEのパートを作るとか、(浦川)翔平のDJや龍のMPCのパートを作るとか、僕らがやりたいことをやれるんです。でも、去年『THE RAMPAGE LIVE TOUR 2021 “REBOOT” 〜WAY TO THE GLORY〜』を行うにあたって、今後THE RAMPAGEをどう見せていきたいかを考えた時に、今THE RAMPAGEでやるべきことが自ずと見えてくるようになって。もちろん、メンバーの個性や特技を全部詰め込んで、盛り盛りでできたら一番良いとは思うんですけど、今は16人のTHE RAMPAGEを見せる時だと感じているので、ここ数年は“綺麗にライブが進むこと”を第一に考えながら、みんなの武器はライブのエッセンスとして取り入れるようにしています。
陣:みんなが積極的に意見を出すようになったからこそ、悩むところやね。
山本:そうそう。みんながやりたい気持ちもわかるから、その差し引きが難しい。
ーーヤマショーさん自身もMA55IVEの一員として活動していたり、(岩谷)翔吾さんが脚本を担当して(吉野)北人さんが出演した「Starlight」スペシャルムービーの映像監督を務めるなど、さまざまな分野でクリエイティビティを発揮していますが、今後一緒にコラボをしたいメンバーはいますか?
山本:壱馬とは以前から「一緒に何かやりたいね」と話していたので、まずはそこからですかね。
川村:またMVを撮りますか?
山本:MVもいいけど、壱馬主演で、若者に届くようなメッセージ性のある芝居を撮りたい。僕らを応援してくれている人は、きっと心のどこかで燻ってる人が多いと思うので、そういう人たちに届くような作品を2人で作れたらいいなって思いますね。
ーーそういえば、ヤマショーさん初の監督作品『椎江家の朝』(LDHの動画配信サービス「CL」の紹介動画)で関西弁の抜けない専業主婦を演じ、映画『HiGH&LOW THE WORST X』への初参戦も決まった陣さんの出番は……?
山本:検討します(即答)
陣:なんでやねん(一同笑)!
山本:あははは。THE RAMPAGEって芝居のセンスが高い人が多いなって思うんですよ。今は俳優業をしていない(武知)海青とかもハマリどころはあると思うし、今まで芝居をやってこなかったからこそ出せる魅力があると思う。陣さんと海青は関西出身だから、2人で漫才師役をやってもらって、『浅草キッド』みたいな世界観の作品を撮るのも面白そうだなって思います。僕が思うに、関西の人って芝居のテンポが良い気がするんですよね。ここで喋ったらおもしろいだろうなっていう間の取り方や、話の展開を読むのが上手い人が多い気がする。陣さんと海青が『椎江家の朝』の撮影の時に台本を読んでいる姿を見て、台詞のタイミングが綺麗だなって感じましたし。壱馬も大阪出身ですけど、今話していて、いっそのこと関西出身のメンバーを全員集めて撮影するのもいいなって思いました。
陣:漫才師かぁ~。
山本:不満(笑)?
陣:いや、漫才師もいいよ! でも僕ね、よく悪役顔って言われるんですよ(笑)。だから顔面のポテンシャルを活かして、積極的に悪役を演じていきたい気持ちもあるんですよね。自分とは真逆の役柄を演じてみて、自分がどう感じるのかを試してみたいです。ヤマショーが脚本を書いてくれたら、最高の悪役が演じられるんじゃないかなって。