世界で活躍するガールズグループ増加の背景 国籍を超えたメンバー編成、運営システムが日本国内にも与えた影響
2022年大晦日に放送される『第73回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に、K-POPグループからTWICE、IVEそしてLE SSERAFIMが出場する。同番組に3組のK-POPグループが揃うのは東方神起、KARA、少女時代が出演した2011年以来実に11年ぶりのことで、『紅白』に出場するK-POPガールズグループの数は今回が過去最多となる。
近年では、ガールズグループによる海外市場を視野に入れた活動形式がここ日本でも一般的に認知・受容されている。この現状に関しては、特に先述したKARAや少女時代、またWonder Girlsや2NE1らK-POPガールズグループがグローバルな活動を展開したことによる影響は絶大であり、彼女たちに対して今も韓国内外から熱いラブコールが送られている。
そしてここ5年では、いわゆる“K-POP第3世代”の活躍により、日本におけるガールズグループの受容にさらなる変化がもたらされた。その代表例として挙げられるTWICEは2015年の韓国デビュー後、2017年に日本デビューし『紅白』初出場、2019年には海外アーティストとしてデビュー後史上最短期間で東京ドーム公演を実現させるなど大きな人気を獲得した。モモ、サナ、ミナといった日本出身メンバーが所属し、また日本オリジナル作品を精力的にリリースするなど、精力的な活動が続き、TWICEが「初めて好きになったガールズグループ」という日本のK-POPファンも少なくないのではないか。
また彼女たちの功績は市場の開拓と拡大のみにとどまらない。以前、日本でK-POPアーティストの育成を行うダンススクールの代表に取材した際「モモさん、サナさん、ミナさんのように、日本からK-POPの世界に飛び込み、長きにわたって第一線を走り続けながら常に進化を求めるような非常に高い意識を持っている先輩の存在は、受講生にとって素晴らしい刺激になっています」というコメントが印象的だった。(※1)世界を股にかけて活躍する彼女たちの姿は、日本のアイドル志望者にとって“海外での活動”が現実的であることを認識させるきっかけとなったことだろう。