NiziU、初の単独ツアーで見せた感動的な光景 WithUと築いた「ライトアップ」させ合う関係性も

NiziU、初の単独ツアーで見せた感動的な光景

 10月5日、NiziU初の単独ツアー『NiziU Live with U 2022 “Light it Up”』におけるアリーナでの最終公演が神戸ワールド記念ホールにて行われた。8月にスタートした同ツアーで、福岡、北海道、宮城、東京、大阪、愛知を巡りながら全国のWithU(ファン)へ笑顔を届けてきた彼女たち。その旅路の一区切りとなる公演ともあり、会場は開幕前から大きな熱気に包まれていた。新型コロナウイルス感染症対策のため声を出しての鑑賞は叶わなかったものの、それでもNiziUの登場を待ち受ける手拍子の一体感には、オーディエンスの大きな期待がありありと表れていた。

 また、ライブビューイングや配信を通じてオンラインライブとしても行われた本公演は、現地を実際に訪れたオーディエンスだけでなく、映画館やそれぞれの場所からWithUが見守る形となった。

 ついに暗転した会場にクールな世界観のオープニングムービーが流れた後、いよいよ姿を現した9人。目の覚めるような眩い白の衣装に身を包んだ彼女たちは、一曲目「虹の向こうへ」に始まり「Baby I’m a star」そして「Boom Boom Boom」と、グループの出発点となったオーディション番組『Nizi Project』にゆかりの深い楽曲を歌い、公演の幕を切った。

 曲が終わり、温かい拍手に包まれながら目の前にいるWithU、そしてスクリーンやディスプレイの前にいる世界中のWithUへ向け、元気いっぱいに挨拶をした9人。続いて披露された「Sweet Bomb!」「Joyful」では、エネルギッシュな曲調に乗せ、“レトロポップ”な映像演出をバックにキュートな表情を浮かべるメンバーたちのパフォーマンスが、会場を盛り上げた。

 その後に行われたMCでは、本公演がアリーナツアー最終日であることに対しリーダーのMAKOが「もう本当に淋しいんです……」と、早くも感極まった様子を見せつつ「まだ泣かないですよ!」とコメントする場面も。改めて、いかにこの1stツアーが彼女たちにとって意義深い経験で溢れていたかが物語られていた。

 続いて「Make you happy」「Poppin’ Shakin’」といった彼女たちの代表曲とも言えるヒットナンバー、チアフルなメッセージ性でファンからの人気も根強い「I AM」、そして「FESTA」「Wonder Dream」とNiziUらしい遊び心いっぱいのパーティーチューンが披露され、「Super Summer」曲中ではMAYAの「行くよー!」というかけ声に歓声を上げるメンバーたちが、オーディエンスの熱狂をさらに高めていた。

  MC後、それまでとは打って変わってしっとりとした表情を浮かべたメンバーたちが「Twinkle Twinkle」を歌唱。客席で揺れるペンライトを見つめる彼女たちの愛情に満ちた眼差しと、〈キラキラする時をありがとう〉という歌詞がリンクして感動的な光景を作り出していた。

 光を追いかけながらシャボン玉に夢と希望を吹き込み、世界中へと飛ばしていく彼女たちの躍動した姿が捉えられる幕間のVCRを終えた先には、本ツアーにおける目玉のひとつとなったユニットステージが待ち受ける。一組目となったMAKO、RIO、MAYA、AYAKAによるダンスユニットは、「Bang Bang」(ジェシー・J、アリアナ・グランデ、ニッキー・ミナージュ)を力強く、パワフルにパフォーマンス。MCでRIOは、それぞれ異なる個性を持った4人が「お互い学び合いながら助け合い、高め合いながら練習できたので、大満足のステージになりました」とコメントしたが、まさにそんな相乗効果が生まれたステージだった。

 次のRIKU、MIIHI、NINAによるボーカルユニットはミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』劇中歌の「Never Enough」をエモーショナルに歌い上げた。こちらは彼女たち自身がセレクトした一曲だったといい、NINAが「自分たちなりに良いハーモニーを作るために話し合いながら、歌でどれだけWithUの皆さんに感動を与えられるか考えて準備した」と語ったとおり、彼女たちらしい歌声が美しく重なってオーディエンスの心を打つ一幕となった。

 そして三曲目に披露された「Take it」は、ラップユニットのMAYUKAとRIMAが初めて自ら作詞を手がけたオリジナル曲。最初は自信がない女の子が自分磨きをしながらどんどんと自信を獲得していく様子が描かれている同曲は、RIMAいわく「私たちのストーリーが書いてある」とのこと。自己肯定感に満ち溢れるメッセージが詰まったリリック、堂々たるパフォーマンスと見事なラップのかけ合いを見せる二人の姿が受け手の背中を押す、力強いステージだった。

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