三宅健が大切にするクリエイティビティ 「43才、職業アイドル」が作品を通じて届けるメッセージ

 ついにアイドル・三宅健が動き出した。7月25日に公式Twitterを開設した三宅。さらに、10月5日にはミニアルバム『NEWWW(ニュー)』をリリースし、10月12日より全国ツアー『Ken Miyake NEWWW Live Tour 2022』を開催することが告げられた。

 ソロ活動のスタートに際して、三宅が寄せたコメントには「グループが解散してもなお、私にとっての職業はアイドルです」と綴られており、アイドルとしてファンに歌って踊る姿を見せて喜んでもらいたいと考え、音楽活動を続けるとあった。その意気込みに触れた後に、改めて開設されたTwitterのプロフィール欄にある「43才、職業アイドル」の文字を見ると、三宅が抱く強い覚悟を感じずにはいられない。

 そんなビッグニュースを発表する直前の7月23日に放送されたレギュラーラジオ『三宅健のラヂオ』(bayfm)では、何が語られていたのか。そこでも「自分はこういう仕事をしていて、アイドルっていうものをやってるんで」と「アイドル」という言葉が印象的に響いていた。

 アイドルとして多くの人の心を動かすことの大変さもやりがいも知っているからだろう。「アーティストに対する憧れがあるんで、やっぱりゼロから何かを生み出すってすごいことだと思うんですよ」と続けた。

 なかでも三宅にとって強い思い入れのあるアーティストとして今回紹介されたのが、コンセプチュアルアーティストの河原温(1932〜2014年)。彼の代表作として語られたのは単色の背景に白色で日付のみを描いた「デイト・ペインティング(Todayシリーズ)」だ。

 一見するとシンプルな作品に思えるが、24時間以内にその日の日付を描くこと、完成しなければ破棄すること……など厳密なルールのもと実に46年にも渡って続けられたという。2度とこない「その日」に何を残すことができるのか。そんな生き様をそのまま形にしたような作品だ。

 「これを僕が知ったときは、このコンセプトを含めてメチャクチャ衝撃的でしたね。そこから取り憑かれたように河原温さんのことを調べて、読み漁ったのを覚えてますけど」という三宅。その中で知った「100年カレンダー」という作品には、このTodayシリーズを制作できた日とそうでない日が記されているそうだ。

 そして「“このコンセプトでいこう”って思ってやり始めたのに、3カ月間やりたくないって思って、全く描かない日もあれば、毎日描き続けて、なんなら1日に3枚仕上げてる日もあるんですよ。“今日の調子はどうでした?”って聞きたかったですよね(笑)」と、もう少し早く河原を知り、生前に直接会って話をしてみたかったと思いを馳せる。

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