Penthouse、ゴホウビ、daisansei……男女混合バンドが生み出す、ジャンルでは切り取れない“色合い”

 男女ツインボーカルが印象深いバンドといえば、ゴホウビの名前も出しておきたい。このバンドの特徴はボーカルの“メイン”が楽曲によって変わること。例えば、スージー(Vo/Key)こと杉恵ゆりかが冒頭を飾る「XYZ」のような歌もあれば、cody(Vo/Gt)こと児玉一真の甘い歌声が始まりを告げる「ハート」のような歌もあって、楽曲ごとにボーカルの立ち位置を自由自在に変えてみせる。ボーカルだけでもバリエーションが豊富なことがわかるように、展開されるサウンドやアプローチにおいても様々な引き出しを持っているのが、ゴホウビの大きな魅力になっている。

ゴホウビ - 「XYZ」[Official Video]
ラブ≠∞ - ゴホウビ[Official Video]

 と、いくつかのバンドを紹介してみたが、先に触れた通り男女混合バンドというのは音楽ジャンルを指した言葉ではないため、ジャンル的な視点で統一した何かを見出すのは難しいかもしれない。しかし、男女混合の形態だからこそ生み出すことができる美しさがどのバンドにも宿っている印象を受けるのだ。わかりやすい部分でいえば、ボーカルのあり方だろう。男女の歌声が交錯するため、ボーカルの音域や歌声の色合いに、豊かさや広がりがより際立つケースが多い。同じメロディラインを歌ったとしても自然と起伏が生まれやすく、ドラマチックな構成になりやすい傾向にある。パレットの中で様々な色を混ぜるからこそ、綺麗な色が生み出せている、とでも言えばいいだろうか。もちろん、元になっている色はバンドごと異なるが、混ぜることで生まれる絶妙な色合いはどのバンドにも共通するものがある、そんな風に考えるのである。

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