“Juice=Juiceという伝統”が促すメンバーの成長 稲場愛香がグループにもたらしたもの

 Juice=Juiceの稲場愛香が、今月30日開催予定の日本武道館単独公演『Juice=Juice CONCERT TOUR ~terzo~ FINAL 稲場愛香卒業スペシャル』をもってグループおよびハロー!プロジェクトから卒業する。

 稲場は2013年にハロプロ研修生へ加入。2014年にはカントリー・ガールズの一員としてデビュー。だが2016年に持病の喘息が悪化して活動休止、グループも卒業。療養期間を経た2017年より活動を再開し、ハロプロ研修生北海道のリーダー的役割を担当。2018年にはJuice=Juiceへ加入し、現在に至る。研修生だった期間は1年半、カントリー・ガールズのメンバーだった期間も1年半、研修生北海道のリーダー的役割だった期間は9カ月、そしてJuice=Juiceでの活動期間は3年11カ月となる。

 稲場はグループの卒業から別グループでの復活を実現するという、ハロプロ史において非常に稀有な経歴の持ち主だ。また、ダンススキルの高さ・甘い声質・あざと可愛いと評されるトーク/バラエティ力の高さなど、硬軟織り交ぜた多角的な魅力を併せ持つ個性的なアイドルでもある。そんな彼女がJuice=Juiceへ加入して以降、同グループで起こった変化は少なくない。それは稲場が触発した面もあるし、逆にグループが稲場へ変化を促した面もあるだろう。本稿では稲場愛香卒業というこのタイミングで、そうしたJuice=Juiceにおけるいくつかの変化をまとめてみたい。

稲場の加入によりダンス力が強化

 Juice=Juiceはハロプロ内において歌唱力の高さに定評があるグループだ。その評判を勝ち得たのは、グループ結成から卒業まで常にセンター/エースメンバーであり続けた宮本佳林、ソウルフルな歌唱でフェイクも自在にこなす高木紗友希、独特の艶やかな声質を持つ金澤朋子といったメンバーたちの元々の資質がまずひとつ。そして2015年から2016年にかけて全国225公演のライブをこなしたという経験値の高さによるものだろう。

 一方、歌唱力がクローズアップされがちなので、ダンスパフォーマンスの面は相対的にあまり語られなかったのが事実。そんな印象を変えることになったのが稲場の加入だ。

 稲場は4歳の頃からダンスを始め、そのスキルを磨き続けた。ハロプロ入りした当初からダンスパフォーマンス力の高さに注目が集まり、『ハロプロダンス部』のメンバーに選抜されたり、2020年2月放送の『Love music』(フジテレビ系)での企画“ハロプロメンバー全58人が選ぶ ダンスがうまいメンバーランキング”の1位になるなど、数々の実績を残している。

Juice=Juice「ポツリと」

 そんな稲場がJuice=Juiceに加入したことにより、グループのダンス力は上昇。これは稲場自身の実力がグループにプラスされたのと同時に、他メンバーの向上心を刺激した面もあるだろう。たとえば稲場加入後初のシングル曲「ポツリと」では、間奏の稲場と宮本を中心としたコンテンポラリー風ダンスが圧巻だ。

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