すとぷり、あらゆる困難を乗り越えるという固い決意 満員の東京ドームで伝えたリスナーへの感謝

すとぷり、満員の東京ドームで届けた感謝

 ふたつ目の映像コーナーは、フリースロー対決。以前も行われた対決だが難易度が上がり、苦戦するメンバーの姿が映し出されると客席も応援ムードに。ガチャを回し「目隠し」「好きな場所から」「後ろ向きで」などの条件が足される追加ルールで、ゲームはますます熱を帯びる。映像最後に行われたドッキリありの罰ゲームや思わぬ結末に、会場からは思わず笑いが漏れた。

 わちゃわちゃとした映像から一変、全身黒衣装にアクセサリーというクールな姿で5人が再登場すると、ダンスナンバー「GO GO CRAZY」をフロートで移動しながら披露、会場後方に現れたサブステージにドッキングし、後方席のファンを驚かせる。「僕らだけのシャングリラ」では息の合ったステップやダンスで魅せながらも、ファンサービスも欠かさない。

 「汗だくだよ!」と力一杯のパフォーマンスを見せた後のMCでは、ペンライトに囲まれファンの顔がよく見えることを喜びながら、映像の企画を振り返り会場を沸かせる。

 会場を移動しながら「Party Light」「Very」「シンドロームラブ」と、重めのサウンドが織り込まれたスタイリッシュな楽曲のメドレーを披露すると、メンバーは一旦退場。バンドとダンサー紹介のコーナーでは、ライブを支える彼らのハイレベルなパフォーマンスに拍手が送られた。

 ライブもいよいよ終盤へ。メインステージの足元にはスモークが焚かれ、幻想的な雰囲気の中、白いジャケットを基調とした王子様衣装に身を包んだ5人が再登場。「プロポーズ」「Prince」と、すとぷりのコンセプトを体現した楽曲を披露。キラキラとしたステージングに客席の熱量も上がり続けた。

 会場の熱気そのままに「今日初めて来た人ー?」「昨日来てくれた人ー?」「昔から来てくれてた人ー?」「すとぷり、大好きな人ー?」とペンライトでコールアンドレスポンスを楽しみ、コミュニケーションを取る。また直前に歌われた「Prince」の〈365日君のそばで生きるよ〉という歌詞が会場の光景とシンクロし「365日誰かしら投稿したり生放送してる、しない日がない。それを考えて、今の景色があると思うとやばい!」と、グッときた様子。「ライブをして初めて気づくし、あらためていい曲だなって気づいた」とファンに感謝を伝える。会場に詰めかけたリスナーとの記念撮影タイムを楽しんだ後、いよいよ本編最後のブロックへ。「悔いのないくらい楽しんでくれますか?」と問いかけると、これまで以上に大きくペンライトが振られ会場が一体となった。

 定番曲「大好きになればいいんじゃない?」に続いて、「ラストー!」とシャウトして始まったのは「おかえりらぶっ!」。自由に戯れながら仲の良さをファンに示しつつも、聴く者の背を押すような歌詞を想いを込めて歌う姿に、涙するファンも多く見られた。

 アンコールの拍手に応え5人が再びステージへ。それぞれ自分のスマホを持って登場し、美しい景色を残そうと動画や写真で客席を映す。「俺たち自由すぎる?」「修学旅行の記念写真みたい」とはしゃいだ姿を見せる。口々に今回のライブを「楽しかった」と語り、楽しい時間を惜しみながら一人ずつの挨拶へ。

 るぅとは3年前に西武ドーム(現:ベルーナドーム)を埋められなかった苦しみを語り、「ドームツアーすべて満員で、最高の景色を一緒に作ることができた」「ひとつひとつの応援が力になって成功できた。最高の笑顔で笑うことができます、ありがとう」と東京ドームの成功を感慨深げに噛み締める。

 ころんは「誇りを持って活動しています。がんばってきてよかった。僕は本当にライブが好きで、こうやってみんなの笑顔を見たり、全力で手を振ってくれたり。生放送じゃ伝わらない部分を形となって伝えてくれる。ライブって楽しいんだなって実感した」とリスナーと直接想いを届け合える喜びを語った。

 「何かをやって届けられる場所は自分で作れるっていうことを教えてくれたのもみんな。みんなに会えなかったらこんなに人前で笑えてなかったかもしれない。みんなには俺たちを見つけてくれて応援してくれて感謝の気持ちしかない。みんなは僕の宝物です」と、さとみは涙ながらにリスナーに出会えた感謝を語った。

 ジェルは「すとぷりのリスナーは最高だなって思いました。みんなに精一杯のありがとうを伝えたいです。バーチャルライブ4公演、2日間東京ドーム、正直足が疲れて痛いのに、いざステージに立ってみんなのペンライトと笑顔を見ると全部忘れて大はしゃぎしちゃって本当に楽しかった。僕たちはここで止まりません。まだまだすとぷりは成長して進み続けます」と静かに決意を表明。

 「めちゃめちゃ楽しかった!」と笑顔を見せた莉犬は、「活動始めた当時からずっと話している話があって、もしかしたら『私はいっぱいいる中の1でしかない、力になれてるんだろうか?』って思ってる子もいるかもしれない。でも俺と君の1対1の人生が積み重なってこうして素敵な1日になりました。ライブのたびにしてるけど、東京ドームでもこの話をずっと変わらずしています!」と変わらない気持ちをあらためて伝えた。

 それぞれが感慨深げに思いの丈を語り終えると、ここでサプライズの告知が。2022年8月、ベルーナドームライブ2daysの開催が知らされると大きな拍手とどよめきが起こる。5人がそれぞれ3年前に客席を埋められなかった悔しさや、それによってリスナーが傷ついていたことを語ったこともあり、あらためてすとぷりにとって特別な場に立てる喜びを爆発させた。

 ラストナンバーは「パレードへおかえり」「Strawberry Prince Forever」の2曲。フロートで客席の一周し、それぞれリスナーの表情を確かめるように手を振り、愛と感謝を伝えながら再会を約束。この日のライブを締めくくった。

 東京ドームという大きな会場にあっても、リスナーとの距離をなるべく近く感じられるように心配りがされていたライブであった。リスナーを傷つけたくない、不安を取り除きたい、という痛切な思いも言葉の端々に感じられた。何度も「ありがとう」「大好きだよ」を伝えることで一人でも多くのリスナーを笑顔にしたいというパフォーマンスは、まさしくすとぷりらしいストレートな表現だ。そのまっすぐさが、今も変わらず多くの人に居場所を与えているのだろう。広い東京ドームを「楽しい」と「笑顔」で満たしながら、あらゆる困難を乗り越えるという固い決意を示した5人が、リベンジとなるベルーナドームでどのようなパフォーマンスを見せるのか。リスナーとメンバーにとって熱い夏になりそうだ。

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