すとぷり、アルバムチャート首位獲得で絶好調 バラエティ豊かな作風とキャラクターの魅力溢れる楽しさ

参考:https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2020-11-23/

 11月23日付のオリコン週間アルバムランキングで首位を獲得したのは、インターネット上の生配信を中心に活躍する6人組・すとぷりの『Strawberry Prince』で、推定売上枚数は229,830枚。キャリア史上最高の初動を記録した。2位に前週リリースの嵐『This is 嵐』を挟み、3位に『PRODUCE 101 JAPAN』にエントリーしていたメンバーが結成したORβITの『00』がランクイン、売上は29,945枚だ。ほか、初登場としては4位渋谷すばる『NEED』(21,309枚)、5位浜田省吾『In the Fairlife』(20,393枚)、9位下村陽子・石元丈晴・関戸剛『KINGDOM HEARTS -III,II.8,Unchained χ & Union χ [Cross]- Original Soundtrack』(7,244枚)、10位AC/DC『POWER UP』(7,149枚)となる。

 まず言及しておきたいのはORβIT。メンバーも韓日混合なら、制作スタッフ(作曲、ミキシングといった楽曲のみならず、MVも含め)も韓日をまたいだ合同チームによって送り出されたデビュー作『00』はクオリティの高い楽曲の揃う充実したアルバムだ。クリアでメリハリのはっきりしたケレン味に溢れるサウンドが頼もしいし、特にお気に入りの「Ready to burn」では、自在に変化するリズムのニュアンスがビートにも歌唱にも溢れているのに聴き入る。全体として、強烈な個性や新しさがあるわけではないかもしれないが、クオリティの高いものを出そうという意志が感じ取れる出来だと思う。『PRODUCE 101 JAPAN』発でまもなく1stアルバム『The STAR』をリリース予定のJO1と並んで、日本の音楽界(特に音楽番組)での活躍に大いに期待したい。

すとぷり『Strawberry Prince』

 さて、今回ピックアップしたいのはなんといってもすとぷり。3枚目のフルアルバムにして、前作までの初動記録を大きく塗り替える23万枚近くを売り上げたその勢いは、特筆に値する。といってもすでに過去作でも10万枚規模を売り上げ、圧倒的な人気は証明済みなのだが。

 2016年にななもり。を中心に結成されたすとぷりは、前述したようにYouTubeやツイキャスなどでの生配信を軸としたエンターテインメントユニットで、メンバー一人ひとりがアバター的なイラストで登場する......というとVTuberを思わせるが、VTuberが完全にアバターだけで活動する(例えばリアルイベントではディスプレイやスクリーンを介して登場する)のに対して、すとぷりはライブで生身のメンバーが登場するし、素顔を見ることもできる。YouTuber、VTuber、2.5次元などなど、昨今エンターテインメント業界を賑わせる流れと少しずつ似ているようで微妙に違う、ユニークな立ち位置のユニットだ。人気の広がりを追い風に、最初は300人規模のライブハウスから始まってドーム公演まで実現(ただし、2020年に予定していた大規模な公演はコロナ禍の余波を受けて開催自粛の憂き目にあった)。『Strawberry Prince』発売前後には地上波テレビ番組へも出演が続いた。

【MV】Prince/すとぷり🍓【HoneyWorks】

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