新譜連載「本日、フラゲ日!」
ENHYPEN、中島美嘉、LONGMAN、さぐぱん(牧島 輝)……5月4日リリースの新譜4作をレビュー
LONGMAN『ライラ』
男女ツインボーカルによる3ピースパンクバンド、LONGMAN。性急なビート、歪んだギターサウンドなど、90年代メロコアから受け継いだスタイルをどこまでもポップに昇華させた音楽性は、ニューシングル『ライラ』にも強く刻まれている。高校のバトミントン部を舞台にしたTVアニメ『ラブオールプレー』(日本テレビ系)のエンディング曲に起用された表題テーマは、心地よい疾走感を放つリズム、エモーショナルな音像と旋律、そして、夢に向かって走り続ける意思をキラキラと反映させた歌詞が一つになったアッパーチューン。ひらい(Gt/Vo)、さわ(Ba/Vo)の個性的なボーカルによって、歌詞の表情が広がっていることにも注目してほしい。シングルには「Will」「1919」といった人気曲のライブ音源も収録。(森)
さぐぱん(牧島 輝)『さぐわん』
2.5次元俳優の牧島 輝が、“さぐぱん”というアーティスト名で初のミニアルバムをリリースした。もともと舞台における歌唱力を高く評価されていたこともあり、今作においても、その艶やかな歌声が全編にわたって高らかに響きわたっている。また彼の声は、その伸びやかな声質と相まって、今作の基調となっている重厚なロックサウンドの中で非常によく映える。あまりにも堂々たる一作だと思う。そして特筆すべきは、「夏は過ぎ去って」「アネモネ」において作詞に初挑戦していることだ。“俳優・牧島 輝”としてではなく、あえて“さぐぱん”として音楽活動を本格化していくのは、“演じる”ことだけでは実現することのできない自己表現を追求していく、という決意の表れだろう。今回の作詞やCDのガジェットケースのデザインは、その表現の一例に過ぎない。今作はまさに、これからさらにアーティスト活動を加速させていく上での大切な布石である。(松本)