imdkmのチャート一刀両断!
ENHYPEN、1stアルバムが大差でチャート首位に バラエティ豊かな構成で描く新たな物語の始まり
参照:https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2021-10-25/
2021年10月25日付のオリコン週間アルバムランキングで首位を獲得したのはENHYPENの1stフルアルバム『DIMENSION: DILEMMA』で、推定売上枚数は120,422枚。2020年デビューの韓国の大型新人が日本でも勢いを見せている。続いて2位には宮本浩次『縦横無尽』(29,077枚)、3位はアニメ『マクロスΔ』発のユニット、ワルキューレによる『Walküre Reborn!』(28,805枚)が続く。今週のランキングはトップ10中、上位7作が初登場で、以下列挙すると4位 The Beatles『レット・イット・ビー スペシャル・エディション』(21,173枚)、5位 OWV『CHASER』(19,598枚)、6位 秋組(MANKAI STAGE)『MANKAI STAGE「A3!」Autumn Troupe コスモス≒カオス』(18,770枚)、7位 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会『L!L!L!(Love the Life We Live)』(18,127枚)となっている。
さて、今回取り上げたいのはENHYPEN『DIMENSION: DILEMMA』。2020年放送のサバイバルオーディション番組『I-LAND』発のグループで、同年秋のデビュー以来、韓国では破竹の勢いで活動を続けている。日本でも地上波の音楽番組に出演したり、ラジオパーソナリティにも抜擢されるなどメディアへの露出も多く、ファンを増やしてきた。ちなみに2020年11月リリースのデビューミニアルバム『BORDER: DAY ONE』は初週71,404枚、続く2021年4月リリースの2ndミニアルバム『BORDER: CARNIVAL』は初週83,218枚。今作で初週10万枚台に乗ったのはやや驚いたけれども、こうしたステップを振り返ればむしろ順当だ。
この記事では『DIMENSION: DILEMMA』のサウンドや構成について書いていきたい。激しくダッキング(ある音の音量を別の音をトリガーにして上下させ、グルーヴ感を作る技法)するシンセのループに導かれて始まる本作。アルバムを貫く世界観を印象づけるJAKE(ジェイク)のナレーションとともに、レイヴィなブレイクビーツと太いベースが鳴り響くと、個人的には否が応でもテンションが上がってしまった。
本作にはイントロなどを含めて全8曲、スタイルの異なるバラエティに富んだ楽曲が収められている。80's調のエレポップをアグレッシブに響かせる「Tamed-Dashed」から、BPMをぐっと下げてミッドテンポのポップス「Upper Side Dreamin'」、メロディアスなバラード「Just A Little Bit」へと続く前半はいわば「ポップサイド」で、各々のボーカルやハーモニーの魅力に注意が向く。ディープハウスを土台にした「Go Big or Go Home」を転換点に始まる後半はその反対で、シンガロングしたくなるようなシンプルで力強いメロディをフィーチャーした盛り上がる曲が連発される。