THE RAMPAGE、EXILE TAKAHIRO、数原龍友、伶……『THE FIRST TAKE』で披露された、LDHの真髄たるバラード歌唱
THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのボーカリスト・RIKU、川村壱馬、吉野北人がYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』に初登場し、2020年12月リリースのシングル表題曲「MY PRAYER」を披露。今回限りのアレンジバージョンで歌われた同曲の動画は現在、再生数220万回を超えている(2月1日現在)。
ヒップホップテイストの楽曲と激しいパフォーマンスを主な特色としていたTHE RAMPAGEにとって、王道のラブバラード「MY PRAYER」は当初、どちらかというと変化球的なシングル表題曲ではあった。だが同時に、ボーカルが常に大きくクリアに聴こえるアレンジ、バランス良く配分されたパート構成、3人のハーモニーなど、『THE FIRST TAKE』初登場の選曲としてはこれ以上ないと言えるほど“歌声を聴かせる”ことに重きを置いた楽曲でもあるのだ。昨年、彼らが長期にわたって開催したライブツアーでも、3ボーカルが(ちょうど『THE FIRST TAKE』の光景と同じように)ステージの中心で向かい合いハーモニーを響かせるという「MY PRAYER」のパフォーマンスには感動の声が多かった。
今回の『THE FIRST TAKE』での同曲は作曲者・和田昌哉によるリアレンジがなされており、サビのフレーズを歌う3人のハーモニーをはじめとした多彩なコーラスが増加。三者三様の個性をバランス良く引き立て合えるという強みを活かしつつ、繊細なハーモニーによって新たな情景が作り上げられていた。
LDH所属のアーティストが『THE FIRST TAKE』に登場するのは、今回で通算4回目。2020年10月に鷲尾伶菜(元E-girls/Flower)がソロアーティスト・伶としてのデビュー曲「Call Me Sick」で出演したことを皮切りに、2021年4月にはEXILE TAKAHIRO、2021年7月にはGENERATIONS from EXILE TRIBEから数原龍友が登場し、それぞれ話題を呼んだ。
各組の動画から改めて実感できるのが、それぞれの代表曲としてのバラードの多さである。後輩グループの増加、成長とともに様々な音楽ジャンルを取り入れてヒットを飛ばしてきたLDHだが、EXILEの「Ti Amo」などに代表される情緒深いバラードは今も圧倒的な人気を誇っている。LDHの“歌”における重要な一要素と言えるだろう。
なかでもEXILE TAKAHIROが『THE FIRST TAKE』で歌唱した「Lovers Again」は、その象徴と言っても過言ではないほどの大ヒット曲だ。最大の特徴は、忘れられない想いを表現したメロディと音色にR&Bのグルーヴが掛け合わさるという構造にある。こうした構造は松尾潔とJin NakamuraというR&Bの名手のタッグにより生まれたもので、その後も「Ti Amo」や「ふたつの唇」などの名曲が作り出されてきた。
なお、TAKAHIROにとっての「Lovers Again」とは、グループ加入を決めた『EXILE VOCAL BATTLE AUDITION 2006 ~ASIAN DREAM~』で歌った課題曲という重要な楽曲でもある。『THE FIRST TAKE』では、原曲から大胆に変化をつけたギターリフとビートが特徴のクールなアレンジで歌われる。リリース当時と比べて厚みと深みが格段に増したTAKAHIROの歌声と、その表情の変化がじっくり楽しめる内容となっていた。