古川毅、2021年に衝撃を受けたアーティストを語りまくる ポップミュージックの未来を感じる4組

スパドラ古川毅『カタリタガリ』第8回

 2021年1月から始まった『古川毅のカタリタガリ』もおかげさまで1年間連載を続けることができました。振り返ってみると、みなさまからいただいた感想の一つひとつに導かれて、各回の内容が決まっていった部分も大きかったので、心から感謝しています。そして僕の発信したことが、少しでも誰かの役に立っていたのなら幸いです。

第8回「古川毅の2021年を彩ったアーティスト」

 まず僕個人の2021年は、SUPER★DRAGONのメンバーとして、コロナ禍で思うように身動きが取れなかった時期を経て、495日ぶりにファンの方々を迎えたライブのステージに立てたことがもっとも大きな出来事でした。正直言って、幕が開いた瞬間はブランクを感じたというか、どうやって客席を見ればいいのかわからなかったのですが、その日を楽しみにしてくれていたBLUE(※SUPER★DRAGONのファンネーム)のみなさまの熱量を受けてやり切ることができました。そしてその後のツアーも含め、コロナの状況はまだまだ油断できませんが、充実した日々を過ごすことができたとても良い年でした。あらためてありがとうございました。

 音楽シーン全体としては、アメリカを中心とした海外に目を向けると、ヒップホップやソウル/R&B文脈のアーティストがどんどんチャートインしたり、既存のジャンルの枠では語れないポップミュージックが数多く出てきたりしたことに象徴される、10年代後半の新しい感覚がさらに次のフェーズに入ったような気がします。また、そこにお隣は韓国のK-POPが食い込んでいることも見逃せないでしょう。

 それに対して日本のポップスがガラパゴス化している状況については、いろんなところで語られています。それはそれで悪いことではないと思いますし、どの国にもそういった音楽文化はある。実際に僕も、いわゆる“J-POP”や“J-ROCK”といった音楽を楽しみながらシンガー/ダンサーとして多くのことを学んできました。しかし、日本はそれ以外の音楽の受け皿が極端に小さいことも事実だと思います。もっともっと、多種多様な音楽がお茶の間に登場してもいい。

 とは言えそこまで悲観的な感情はなくて、例えばAwichさんが『CDTVライブ!ライブ!』に出演するなど、気持ちが高ぶる瞬間も多々ありました。そう考えると、日本のメインストリームにも新たな風が巻き起こり始めているように思います。そこで今回は未来への期待も込めたうえで、僕が2021年にもっとも衝撃を受けたアーティストをピックアップして、持論を“カタリタガリ”していきます。

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