古川毅、SUPER★DRAGONの活動指針となったアーティストを語りまくる 圧倒的なミクスチャー感覚を持った4組
まず初めに、僕が所属するユニット、SUPER★DRAGONは9月27日で結成から6周年を迎えることができました。昨年は5周年に向けていろいろと考えていたことが、新型コロナウイルスのパンデミックにより白紙になったことで、先が見えなくて途方に暮れていた時期もありましたが、なんとかやってここまでこられたのは、僕らのことを気にかけてくださっている皆様のおかげだと思っています。この場を借りて、本当にありがとうございます。
■古川毅の“ミクスチャー”という概念に影響を与えた4組
基本的にSUPER★DRAGONは、9人の個性を最大限に活かすべくスタッフやクリエイターの方々が考えてくれたコンセプトや制作してくれた曲を、メンバーそれぞれが咀嚼してひとつのパフォーマンスを作り上げるダンス&ボーカルグループです。でも、コロナ禍に入って活動がストップしたときに、与えられた役割をとにかく遂行することも大切なことですが、もっともっと点が線になるように自分たちで考えて、グループの未来に対して先回りするくらいのビジョンを提案していく積極性を持つべきなんじゃないかと思うようになりました。
いくらクリエイティブなアイデアを提案してもらっても、それをキャッチするアンテナやプラスアルファの意見がなければ、すごい才能がひしめく今の時代には生き残れない。僕ら自身の発信力が強化されてこそ、スタッフとの相乗効果が生まれてもっともっとおもしろいものが生まれるし、ファンの方々の想いや期待に応えることに繋がる。前々からそう思ってやってきたつもりだったんですけど、全然足りていないような気がしたんです。
そこで、僕がよく考えていたテーマは、SUPER★DRAGONが“ミクスチャーユニット”であるということ。ここで言う“ミクスチャー”というのは、海外だとLimp BizkitやLinkin Park、国内だとDragon AshやRIZEのような、90年代から00年代に台頭してきたオルタナティブロックやパンク、ヘビーメタルといったロック文脈の音楽にヒップホップやエレクトロなどを融合した“ミクスチャーロック”のこと。日本独自の呼称で、海外では“ラップロック”とか“ラップメタル”と呼ばれています。
SUPER★DRAGONはそんなミクスチャーロックを起点にスタートし、ダンスと歌とラップによるユニットである特性を活かして、ロックだけでなくさまざまな音楽を軸に据えた曲を展開してきました。でもそれだけだと今の時代は特筆した個性にはならない。例えば以前この連載で紹介したRina Sawayamaさんのように、1枚のアルバムに野太いミクスチャーロックもあれば、ある意味それとは対極のあるようなスムースなR&Bや都会的なディスコ/ハウスもある、サウンドスタイルの統一感に捉われないアーティストがどんどん出てきている。また、聴き手の趣味嗜好も、アルゴリズムや仲間とのコミュニケーションなどが混ざり合って、どんどん多様化してきています。ただ音楽性に幅があるというだけでは勝負にならない。
そこで今回は、僕が影響を受けた、今の時代において圧倒的なミクスチャー感覚を持ったアーティスト4組を紹介していきます。