古川毅、2021年に衝撃を受けたアーティストを語りまくる ポップミュージックの未来を感じる4組
■新しい学校のリーダーズ(ATARASHII GAKKO!)
前々から知っていたんですけど、88rising(※NYを拠点にアジアのカルチャーを世界に発信するプラットホーム)からデビューすると聞いて、それにあたっての新曲を聴いてから、はまっています。
なかでもジャカルタのラッパー、ウォーレン・ヒューとの共同名義でリリースした「FREAKS」のビデオは衝撃的でした。彼女たちのトレードマークであるセーラー服や、作品中に出てくる相撲取りは、海外の人たちから見ると、日本独自のおもしろいカルチャーだと思うんです。でも、その特異性に頼ってはいないというか、決してただのキャラクター止まりではない。衣装、ダンスのスキルや振付の構成など、すべてが高次元で連動していて、例えばダンス一つをとっても、僕ら男性グループや、ほかの女性グループには合わないし、やろうとしてもできないと思います。“新しい学校のリーダーズ”という“日本の学校の制服を着た女性グループ”ならではのパフォーマンスを、世界に向けて発信できている対応力には脱帽します。
11月にリリースした、Beastie Boysの“第4のメンバー”と言われたマニー・マークがプロデュースを手掛けたEP『SNACKTIME』も見事でした。Beastie Boysのアルバムで言うと、『Hello Nasty』(1998年)に近いテイスト。同作に収録されている「Intergalactic」に日本語のリリックを乗せたカバーのビデオも必見です(EPには未収録)。90年代のエネルギーを彼女たちなりに現代化していて、すごくおもしろいです。