古川毅、2021年に衝撃を受けたアーティストを語りまくる ポップミュージックの未来を感じる4組

スパドラ古川毅『カタリタガリ』第8回

■SKY-HI

 僕がここまでに語ってきたことよりも、もっともっと広い視野と思慮深さをもって行動されている方。AAAのメンバーで、ソロのラッパー/シンガーソングライターとしては世界のトレンドと共鳴しながら個性を突き詰め、新しいポップミュージックの世界を切り拓かれています。そして昨年は、私財を投じてマネジメントレーベル<BMSG>を立ち上げ、今年『THE FIRST』というオーディションを開催。そこで選出された7人によるBE:FIRSTがデビューしました。

 SKY-HIさんは、ご自身の倫理観があったうえで決して迎合することなく言いたいことは言いながら、新しいアイデアも出されている。だから多くの人が協力的になるのだと思います。ものの言い方とか、ほんとうに素敵で。僕も『THE FIRST』の動向はずっと追っていたんですけど、もう名言だらけ。なかでも印象的だったのが、グループのメンバーに選ばれなかった人たちへの言葉ですね。これはあくまで、それなりにオーディションも経験してきた僕に置き換えたらという仮定の話ですが、たぶん“落ちた”とは思わない。なぜ選ばれなかったのか、何が自分の持ち味でどこを頑張ればいいのか。単なる励ましや綺麗なまとめ方という印象ではなく、心底納得できそうな気がするんです。

 それって簡単なことではない。周りの一人ひとりとしっかり向き合って個々の本質を見抜く力と、仲間の才能が消費されないようにみんなでいい未来を作っていこうとする、私利利欲ではない気持ちの強さがあるからこその説得力だと思います。それはSKY-HIさんがさまざまな葛藤に対して、常に意識を高く持って消化しながら歩んできた証。ずっと先駆者であり続けてくださっている方なので、これからも追いかけていきます。

SKY-HI / To The First (Prod. Ryosuke “Dr.R” Sakai) -Music Video-

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