櫻坂46、さらなる成長の期待高まる完璧なパフォーマンス 守屋茜&渡辺梨加が有終の美を飾った1周年記念ライブ

櫻坂46、1周年記念ライブレポート

 ライブ終盤へ向けた流れに入る前に、節目のライブらしくこの1年を振り返る映像も用意。菅井のナレーションとともに進行していくこの映像では、葛藤しながらも前進を続けた彼女たちの軌跡が描かれており、最後は「私たちは、私たちらしく、強く、美しい、櫻へ。」という彼女たちらしい一言で締め括られた。これに続くのが、“櫻坂46はじまりの歌”「Nobody's fault」。白地で裾に桜色をあしらったデビュー時の衣装を着た姿は、1年前とは見違えるほどの頼もしさを感じさせるものだった。その流れから突入する「流れ弾」では、さらに圧巻のパフォーマンスを披露。小林も加わることで実現したMV撮影以来となる完全体の「流れ弾」は、表情から伝わる深みのある没入感やダイナミックなダンスなど、1カ月前に終えたばかりの全国ツアー以上の仕上がりで、中でもセンター田村の鬼気迫る表情や、彼女を取り巻くメンバーたちの存在感など、すべての攻撃力/破壊力がフルテン状態であることが窺える。まさにこの1年の経験が凝縮された、至高のパフォーマンスだと断言したい。

 「流れ弾」で最高潮に達したところで、ライブ本編は終了。最後はメンバー全員が階段上でフォーメーションを組み、ローマ数字の「I」から「II」へ変化する整列で活動2年目への期待を高めて、「Go to the 2nd year」のメッセージとともにステージから去っていった。

 アンコールに入ると、いよいよ守屋と渡辺が卒業の瞬間を迎える。欅坂46時代から今日に至るまでの2人の軌跡を映像で振り返ると、黒いドレス姿の守屋と白いドレス姿の渡辺が登場。菅井の進行とともに、2人はBuddiesに向けて手紙を読み上げる。守屋は「この6年間で本当にたくさんの経験をさせていただきました。こんな人生経験ができるなんて、幸せなアイドル人生でした」「いつ最後になっても後悔しないように、一つひとつのお仕事に本気で向き合ってきました。ここにいてできることはすべてやりきったと思います。なので、後悔はありません」、渡辺は「何気ない日常がすごく楽しかった。でも、楽しいことばかりじゃなくて、苦手なダンスや思うように活動できなかった時期など、つらいことも悔しいことも悲しいこともたくさんありました。でも、皆さんがいてくれたから私はここまで頑張れました」「6年間、グループのみんなと過ごしてきてすごく楽しかったし、欅坂46、櫻坂46に入って本当によかったなと、心からそう思います」と、それぞれの言葉で感謝の思いを伝えた。

 その後、菅井と渡邉理佐が加わり、欅坂46時代のユニット“青空とMARRY”の楽曲「ここにない足跡」「青空が違う」をサプライズ披露。4人は時に笑顔で、時に涙まじりで懐かしい楽曲を歌っていく。中でも、「青空が違う」では欅坂46時代のライブ映像を背にパフォーマンスするという、4人の6年半の成長が伝わる演出も用意された。

 最後に、ステージ上にメンバーが勢揃いし、上村莉菜や増本綺良などが卒業する2人にメッセージを寄せる。ここでは、増本が「今の別れのつらさより、出会えたことへの感謝に目を向けて、今はおふたりの未来を思い切り応援したい」というコメントが筆者の胸に強く響いたことを特筆しておきたい。そして、菅井の「今までの謙虚、優しさ、絆を忘れず、誇り高く、美しく咲き誇る、そんなグループを目指して、一丸となってこれからも歩み続けます。そんな私たちにこれからもぜひついてきてください。2年目も応援よろしくお願いいたします!」という宣言とともに、「櫻坂の詩」を全員で歌唱。曲中ではメンバー一人ひとりから卒業する2人へ花を贈るサプライズもあり、桜の花びらのような紙吹雪が舞う幻想的な空気の中、櫻坂46初のアニバーサリーライブおよび卒業セレモニーは無事終了した。

 有観客ライブの経験が増えたことで、ここ半年ほどで急速に成長を続ける櫻坂46。この1年で得た自信がこの先、作品づくりやライブ制作にどのように作用するのか。2022年の幕開けとともに、楽曲フォーメーション3列目メンバーによるライブ『BACKS LIVE!!』が東京ガーデンシアターで開催されることも決定しているだけに、デビュー2年目の櫻坂46の進化からも目を離さずにいておいてほしい。

■セットリスト
『櫻坂46 1st YEAR ANNIVERSARY LIVE』
2021年12月10日(金)日本武道館
00. Overture
01. BAN
02. 美しきNervous
03. 半信半疑
04. それが愛なのね
05. 偶然の答え
06. ブルームーンキス
07. 思ったよりも寂しくない
08. Microscope
09. On my way
10. ソニア
11. 無言の宇宙
12. ジャマイカビール
13. Dead end
14. なぜ 恋をして来なかったんだろう?
15. Buddies
16. Nobody's fault
17. 流れ弾
<アンコール>
18. ここにない足跡
19. 青空が違う
20. 櫻坂の詩

櫻坂46公式サイト

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